【DO!BOOK・ページリンク】
2012_all   15 / 48

BOOKをみる

10秒後にBOOKのページに移動します


米国 2020 2030 300 490 太陽光や風力を利用した自然エネルギー発電の普及には、自然に左右される発電量を調整 できるよう、余った電力を「貯める」仕組みが不可欠です。従来の蓄電池では、高速での充放電 が難しく、発電量の不安定さをカバーするには至っていませんでした。 大容量の電力を瞬時に充放電可能なSMESは、電力の増減に伴う電圧変動にリアルタイム に対応できるため、自然エネルギー発電設備向けの蓄電機 器として注目されています。 スーパーパワー社の2GHTS線材は、SMESに必要な高磁 界を発生するコイルに最適であり、ABB社やヒューストン大 学、Brookhaven国立研究所と共同でSMES用線材の開発 を進めています。 「超電導電力貯蔵システム(SMES※2)」により、電力需給の安定化を図ります。 持続可能なエネルギーとして、世界中で普及が進みつつある風力発電。現在の発電量は最 大でも5メガワット程度ですが、これを10メガワット、15メガワットに拡大するための技術開発 が進められています。従来の技術では、発電量を増やすには発電機を大型化する必要があり、 製造コストや建設コストの負担も高まります。しかし、電気抵抗がなく電流密度の高い2GHTS 線材を用いれば、細い電線でも多くの電気を流せるため、発電効率の向上と発電機器の小型 化・軽量化を同時に実現できます。 現在、スーパーパワー社では、Teco-Westinghouse社やヒューストン大学と共同で、10メ ガワット級の大型風力発電機に用いる超電導線材の研究開発を 進めています。大型風力発電の普及を加速させ、CO2排出量の 削減や石油資源からの脱却に寄与する研究として、世界中から期 待されています。 発電効率の向上や、発電機器の小型化・ 軽量化により、風力発電の普及拡大に寄与します。 ※2 Superconductor Magnetic Energy Storageの略 トロイダルコイル型SMESの シミュレーションモデル 大容量の電力をロス無く貯める。 発電効率を高める。 電気を貯める 電気をつくる 古河電工グループ サステナビリティレポート 2012 14