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2012_all   30 / 48

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当社は、経済産業省の委託事業である「浮体式洋上ウィンド ファーム実証研究事業」に参加します。 洋上ウィンドファームとは、次世代の発電方式として世界的 に注目されている「洋上風力発電」を用いた大規模発電所で す。海の上に多数の巨大な風力発電設備を設け、海底ケーブ ルで陸上に電力を送るもので、地上での風力発電所建設の余 地が少ない日本でも注目を集めています。本事 業ではその実証実験のため、2015年までに、福 島県の沖合い約20キロメートルの太平洋上に 数千キロワット級の風車3台と付帯設備を設置 する計画です。 当社は、これらの発電設備から電力を運ぶ超 高圧ライザーケーブル※システムの開発を担当 します。しかし本事業で扱う設備は海底に基礎を 持たない「浮体式」。深い海でも設置しやすい反 面、設備が波や風の影響を受けやすい方式です。 加えてライザーケーブルは、海上に浮かぶ設備の 揺れと、海水自体の動きの両方から影響をうけま す。したがって、海象・浮体条件に応じてケーブル の形状を最適化することはもちろん、風車と同じ だけの長寿命で使用できるよう、繰り返しの疲労 にも耐える耐久性を持たせなければなりません。 また、大容量の電力を長距離送電するため、シス テム全体の高電圧化、最適な光通信システムの 当社グループでは新興国を中心とした海外への市場展開 を加速するため、グループ横断的な海外マーケティング・商圏 拡大活動に積極的に取り組んでいます。中でも東アジア地区 では、2009年から毎年グループ合同の技術展を開催し、技術 や製品についてプロモーションしてきました。 2011年度は、その総仕上げとして、2011年7月22日に、中 国・上海のランドマークである高層複合ビル・上海環球金融中 心で「FURUKAWA Innovation Expo 2011 in Shanghai」を開催。当社と中国現地法人17社を含むグルー プ29社が参加し、環境をキーワードに、「スマートグリッド(エ ネルギー・建設)」「エレクトロ二クス」「情報通信」「トランスポー ト」の4分野から85の製品・技術を展示しました。あわせて、当 社の社長、CMO、CTOが経営戦略などについて説明する基 調講演や、最新の技術動向を紹介する7つの技術セミナーを 構築も必要となります。こうした課題を解決するために、当社 が培ってきた大水深での設計シミュレーション技術や幅広い 素材技術・海底ケーブル技術、信頼性と合理的なコストを両立 する独自の光通信技術が活かせると考えています。 開催。当社グループの製品・技術、グローバル展開戦略、将来 像について情報発信しました。また、2012年7月には、インフ ラ整備や自動車産業への投資拡大で注目されているインドネ シアのジャカルタでも技術展を開催。製品・技術を紹介すると ともに、ASEAN各国で産業発展に貢献していることもアピー ルしました。 今後は、ブラジル やインド、欧米といっ た地域での商圏拡大 活動を強化していき ます。 洋上風力発電の実証プロジェクトに参加 中国・上海で技術展を開催 ※ 浮体に接続され、常時海中に浮遊した状態で使用されるケーブル。洋上ウィ ンドファームにおいては、風車と海底の送電ケーブルをつなぐ 高耐久性ライザーケーブル 挙動解析技術に基づいて、当該海域・施設に最適のライザー ケーブルを開発 ライザーケーブル接続機材 ライザーケーブルの大きな動きに耐える接続機材や副資材を 開発 光通信システム 大規模ウィンドファームに適した、経済性・信頼性の高い光通信 システムを開発 イメージ図 お客様との関わり 社会への取り組み 中国・上海における技術展の様子 29 古河電工グループ サステナビリティレポート 2012