スーパーAは、首都圏に100店舗を超える直営店とフランチャイズ店を持つ中堅のスーパーです。スーパーAの情報戦略室長の森島氏(仮名)は、新型POS端末の導入に伴うネットワーク基盤の再構築に際して、大きな問題を抱えていました。
森島氏---「当社は、POS端末が重要な役割を担っています。POS端末から収集されたデータは、貴重な販売データであると同時に、ビジネスにおける最も重要なマーケティング資料でもあるのです。そのため、POS端末を多機能な新型に入れ替えることは、競争力の維持にとって、必須の課題でした」
この新型のPOS端末は、複数のPOS端末との接続やストアーコンピュータとの連動により、今まで煩わしかった商品登録情報も簡単に更新できます。さらに、売上時点での商品データだけではなく、顧客情報なども記録でき、こうした多機能なPOS端末を活用することは、スーパーAに限らず、店舗による販売を行うビジネスにとっては大きなテーマとなっています。
森島氏---「しかし、当社のように、拠点が多くて、各店舗のシステムがばらばらな形態では、導入後の運用と維持に、かなりのコストと手間がかかります。それに、新型POS端末では、LANを基盤とするため、従来のように電話線をつなぐだけでは済まないのです。かといって、すべての店舗に本社の情報システム部が取り付けに出向いていては、時間もコストも損失してしまいます。そのため、対応できる人員数からも、とても100以上の店舗をサポートするのは、不可能だと思っていました」
こういった状況の中、森島氏の情報戦略室は、店舗と本部を結ぶネットワークとその接点であるルータに着目しました。
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