ip nat pool

NAT変換する際の、変換後のIPアドレス範囲を指定します。NAT変換(NAT+ではない)する場合に指定する必要があります。
このコマンドでは、プール名称・変換後のIPアドレス範囲(Start/End)を指定し、実際にNAT変換するインタフェースで、使用するプール名を指定します。

ここで指定する範囲と、実際にNAT変換するインタフェースのIPアドレスが重複している場合は、NAT変換できません。refreshコマンド後に有効になるコマンドです。


設定例 変換後のアドレスとして、158.xxx.xxx.2〜158.xxx.xxx.7を指定する(プール名:pool1)

Router(config)#ip nat pool pool1 158.xxx.xxx.2 158.xxx.xxx.7


コマンド書式

ip nat pool <プール名> <変換後のアドレス:先頭> <変換後のアドレス:最後>


パラメータ

パラメータ 設定内容 設定範囲 省略時の値
プール名 プールの名称を指定します。
PPPoEインタフェース設定モード/EWANインタフェース設定モードで、NATのコマンドを設定する場合に指定するプール名として使用しますので、わかりやすい名称にしてください。
16文字以内の文字列 省略不可
変換後のアドレス:先頭 NAT変換における、変換後のアドレスを
範囲指定する場合の先頭アドレス
IPv4アドレス形式 省略不可
変換後のアドレス:最後 NAT変換における、変換後のアドレスを
範囲指定する場合の最後のアドレス
IPv4アドレス形式 省略不可
最大エントリ:8エントリ


NAT機能とは・・・

LAN側にローカルアドレスを割り当てている場合、そのままのアドレスでは公共のネットワーク(インターネット等)に接続することはできません。
このような場合に、ローカルアドレスをグローバルアドレスに変換して、インターネットに接続できるようにする機能がNAT(Network Address Translation)です。
FITELnet F60では、複数のアドレスに変換する機能をNAT機能、1つのアドレスに集約する機能をNAT+機能と呼んでいます。
以下にイメージ図を示します。図はPPPoEを使用する例となっていますが、EWANでも同様です。

NAT機能


NAT+機能


他のコマンドとの連携

NAT機能を使用するインタフェースで、NAT機能の設定(ip nat insideコマンド)を行なう必要があります。
その際、NAT変換後のアドレスとして、ip nat poolコマンドで指定したプール名を指定します。


適用順序

NAT変換ルールは以下の順序で適用されます。

1)static変換ルール
2)listによる変換ルール

同じ種類のルール内では、Prefix長が長いルールが優先して適用されます。
同一Prefix長の設定が複数あった場合には、config上で先に登録されたものが優先されます。
なお、configには、以下の順に登録され、同じ種類については入力順に登録されます。

1)static変換ルール(既存のホストアドレス指定)
2)static-subnet変換ルール
3)listによる変換ルール


設定モード

基本設定モード

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