qos frame-length-offset

CBQによって帯域制御が行なわれる場合、帯域計算で使用するフレーム長の補正値を指定します。

帯域計算は、適用するインタフェースごとに予め定められたフレームを想定して行なわれますが、必ずしもご使用のネットワーク構成とは一致しない場合があるため、必要に応じて本コマンドによって補正を行うことができます。
なお、インタフェースがPPPを利用する場合は、PPPカプセル化処理により一部の文字列に置き換えが発生しフレーム長が変更されることがあります。
帯域計算はPPPカプセル化処理前に行うため、変更されたフレーム長を正確に補正することができません。
PPPoEカプセル化ではフレーム長の変更が行われないため、このような制限は発生しません。

各インタフェースで、帯域計算に使用されるフレーム長は、以下となります。

lan, ewan, vlanif, pppoe:Etherフレーム長+24 *1
ipsecif:IPパケット長+112 *2*4
tunnel:IP/IPv6パケット長+66 *5

*1 プリアンブル+IFG(20バイト)+ FCS(4バイト)がつく想定
*2 プリアンブル+IFG(20バイト)+ FCS(4バイト)+Etherヘッダ(14バイト)+ PPPoEヘッダ(8バイト) +  IPv4ヘッダ(20バイト) + ESP(38バイト)*3 + パディング(AES時の想定平均)(8バイト)がつく想定
*3 ESPヘッダ(8)、IV(16)、パディング長(1)、次ヘッダ番号(1)、ICV(12)*4
*4:ICV 長は使用するアルゴリズムによって異なります。
 ・HMAC-MD5: 12バイト
 ・HMAC-SHA: 12バイト
 ・HMAC-SHA2-256: 16バイト
 ・HMAC-SHA2-384: 24バイト
 ・HMAC-SHA2-512: 32バイト
*5 プリアンブル+IFG(20バイト)+ FCS(4バイト)+Etherヘッダ(14バイト)+ PPPoEヘッダ(8バイト) +  IPv4ヘッダ(20バイト)がつく想定

使用するネットワーク環境が、上記想定と異なる場合には、本コマンドを使用して補正を行うことができます。
補正は、上記想定でのフレーム長に対して行ってください。

refreshコマンド後に有効になるコマンドです。


設定例1 帯域計算で使用するフレーム長を20オフセットさせる

Router(config)#interface ewan 1
Router(config-if ewan 1)# qos frame-length-offset increment 20


コマンド書式

qos frame-length-offset {increment < オフセット値 > | decrement < オフセット値 >}


パラメータ

パラメータ 設定内容 設定範囲 省略時の値
increment フレーム長を増加させる場合のオフセット値を設定します。 0〜127 省略不可
decrement フレーム長を減少させる場合のオフセット値を設定します。 0〜128 省略不可


この設定を行わない場合

想定したフレーム長で帯域計算を行います。


最小フレームサイズに関して

各インタフェース毎に、最小フレームサイズが規定されており、本コマンドの指定により最小フレームサイズを下回った場合には、最小フレームサイズで帯域計算を行います。
各インタフェースの最小フレームサイズは以下の通りです。

lan, ewan, vlanif, pppoe:60バイト
ipsecif, tunnel:なし。常に設定内容どおりに帯域計算を行います。

F60のdialerインタフェースは、想定フレーム長、最小サイズは以下となります。

想定フレーム長:データのIPパケット長+7 *6
最小フレーム長:7バイト

*6:HDLCヘッダ部(3バイト)+ PPPヘッダ(2バイト) + FCS(2バイト)。


設定モード

LANインタフェース設定モード
EWANインタフェース設定モード
PPPoEインタフェース設定モード
ダイヤラーインタフェース設定モード
IPsecインタフェース設定モード
VLANインタフェース設定モード
トンネルインタフェース設定モード

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