ip as-path access-list

ASパスのリストを設定します。
ASパスのリストは明示的な許可設定がないと、不許可として扱われますので、許可したい場合には必ずpermitの設定を行ってください。
複数のASを設定する場合は、スペースで区切って記述します。
ASパスの指定方法は、設定した文字列が含まれるものが対象となります。例えば"100"と指定した場合は、"100"だけでなく"1001", "1002", "10010"・・のように、"100"の文字列が含まれるものが対象となります。
また、正規表現での指定を行なうことができます。

refreshコマンド後に有効になるコマンドです。


設定例1 as-path1のASアクセスリストとして、AS番号(100 101 102)を許可する

Router(config)# ip as-path access-list as-path1 permit 100 101 102


コマンド書式

ip as-path access-list <ASアクセスリスト名> {deny|permit} <AS番号>


パラメータ

パラメータ 設定内容 設定範囲 省略時の値
ASアクセスリスト名 ASアクセスリストに名称をつけます。この名称は、BGPおよびaddress-family設定モードの、neighbor filter-listコマンドで指定します。 254文字以内の英数字 省略不可
deny | permit 許可属性(permit)か、不許可属性(deny)かを選択します。 deny
permit
省略不可
AS番号 ASパスを指定します。複数のASパスを指定する場合は、スペースで区切って記述します。 1〜65535 省略不可


正規表現について

複数の値を、1つの書式で記載する機能を、正規表現(書式)と呼んでいます。
例えば、「0と1と2と3」を指定したい場合に、4つのコマンドを入力するのではなく、1つの入力で4つを表現することができ、ここで使用する書式が正規表現です。
FITELnet F60の正規表現で使用可能な文字を下表にまとめます。
なお、正規表現は本コマンドでのみ使用可能です。
正規表現で使用する
文字設定内容
意味使用例
. ピリオド 任意の1文字を意味します。(スペースを含む) 1. 10, 11, 12,・・・19および1a, 1b, ・・・が該当します。
* アスタリスク 直前の文字を0回以上繰り返すことを意味します。(スペースは含まない) 12* 1, 12, 122, 1222, 12222, ・・・など"1"の次に"2"を0回以上繰り返したものが該当します。
+ プラス 直前の文字を1回以上繰り返すことを意味します。(スペースは含まない) 12+ 12, 122, 1222, 12222, ・・・など"1"の次に"2"を1回以上繰り返したものが該当します。
^ キャレット 文字の先頭を表します。 ^1 1, 10, 11, 100, 1a・・など、1文字目が"1"のものが該当します。
^11 11, 111, 112, 1123・・など、最初の2文字が"11"のものが該当します。
$ ドル 文字の最後を表します。 1$ 1, 11, 21, 321・・など、最後の文字が"1"のものが該当します。
11$ 11, 111, 211, 3211・・など、最後の2文字が"11"のものが該当します。
_ アンダースコア 次の中の1文字を意味します。
, カンマ
{ 中括弧開く
} 中括弧閉じる
( 括弧開く
) 括弧閉じる
先頭文字(^と同等)
最終文字($と同等)
スペース
1_ 1,  1{  1}  1(  1)および1, 11, 21, 321・・など、最後の文字が"1"のものが該当します。
[ ] 大括弧 文字の範囲を表します。 [1234] 1, 2, 3, 4 が該当します。
[13] 1, 3 が該当します。
- ハイフン [1-4] 1, 2, 3, 4 が該当します。
[a-bA-B] a, b, A, B が該当します。
| パイプ 「または」を表します。 ^1|^2 1文字目が"1"または"2"のものが該当します。
^1|2$ 1文字目が"1"または最後の文字が"2"のものが該当します。
{ } 中括弧 繰り返しを表します。 1{2} 11, 111, 211, 11222など、"1"を2回繰り返すものが該当します。
1{2,} 11, 111, 211, 1112, 11112など、"1"を2回以上繰り返すものが該当します。
1{2,3} 11, 111, 211, 1112など、"1"を2回以上3回以下繰り返すものが該当します。
\ バックスラッシュ 正規表現用の文字の特殊な意味を取り除きます。 \*1 "*1"という文字列が該当します。
[a-z\-] a, b, c, ・・・zと、"-"が該当します。


正規表現の使用例

AS番号1000, 1001, 1002, 1003を通過したプレフィックス情報は不許可とし、それ以外のプレフィックス情報は許可する。
Router(config)# ip as-path access-list 1 deny ^100[0-3]
Router(config)# ip as-path access-list 1 permit .*


この設定を行わない場合

ASパスリストによるフィルタは行いません。


設定モード

基本設定モード

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