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自律監視についての機能概要
2010年3月15日 初版

1. 自律監視機能とは

自律監視機能とは、イベントアクション機能のイベントクラスとして、 以下の装置状態を監視し、指定した閾値を超えた場合にeventを発生させる事ができます。

  • バッファ(mbuf)使用量
  • CPU使用率
  • ip natセッション数
  • ip routeエントリ数
  • ip arp エントリ数
  • ipv6 neighbor cache数
  • ipv6 routeエントリ数
  • メモリ使用量
  • 学習フィルタエントリ数
  • 温度
  • 2. 設定内容について

    2-1.コマンド解説

    ■監視のポリシーと閾値の設定
      閾値はTRUEとなるときの閾値と、FALSEになるときの閾値の二つの値を設定します。

    【設定コマンド】
    threshold {<監視のポリシー>} {value <閾値> hysteresis <変移値>

    percentage <使用率> hysteresis <変移率>}

    パラメータ 設定内容 設定範囲
    監視ポリシー 監視の方法を指定します。

    ge (greater than or equal to):上方監視
    ⇒閾値と等しいか、より大きくなったとき

    gt (greater than):上方監視
    ⇒閾値より大きくなったとき

    le (less than or equal to):下方監視
    ⇒閾値と等しいか、より小さくなったとき

    lt (less than):下方監視
    ⇒閾値より小さくなったとき
    ge
    gt
    le
    lt
    閾値 監視する際の、TRUEと判定する閾値を設定します。 0〜
    2147483647
    変移値 設定閾値に達した後、どのくらい値が変移したらFALSEと判定するかを設定します。
    閾値から変移値を引いた値が判定値となります。
    0〜
    2147483647
    使用率 監視する際の、TRUEと判定する使用率を設定します。
    0〜100
    変移率 設定使用率に達した後、使用率が何パーセント変移したらFALSEと判定するかを設定します。
    使用率から変移率を引いた値が判定値となります。
    0〜100


    ■監視を行なう際のTURE状態時とFALSE状態時の監視間隔の設定
      UNKNOWN状態の場合は、FALSE状態時の監視間隔を採用します。

    【設定コマンド】

    interval <TURE監視間隔> <FALSE監視間隔>

    パラメータ 設定内容 設定範囲
    TURE監視間隔 TURE状態の監視間隔(単位:秒)を設定します。 1〜
    2000000
    FALSE監視間隔 FALSE状態もしくは、Unknown状態の
    監視間隔(単位:秒)を設定します。
    1〜
    2000000


    ■監視を行なう際の状態遷移と判断する回数の設定
      TUREからFALSEへの状態遷移の際の判断回数と、FALSEからTRUEへの状態遷移の際の判断回数を別々に指定します。

    【設定コマンド】

    times <TURE判定回数> <FALSE判定回数>

    パラメータ 設定内容 設定範囲
    TURE判定回数 TUREに状態遷移する判定回数を設定します。 1〜
    2000000
    FALSE判定回数 FALSEに状態遷移する判定回数を設定します。 1〜
    2000000


    2-2.Watchクラスの状態遷移について

    ■Watchクラスの状態

    Watchクラスの状態 遷移条件
    TRUE TRUEとなる閾値を超えた状態が「TUREに状態遷移する判定回数」連続したときに遷移する。
    FALSE FALSEとなる閾値を超えた状態が「Falseに状態遷移する判定回数」連続したときに遷移する。
    Unknown 状態(TRUE or FALSE)が判定ができない状態
    装置起動後、またはwatch-class設定直後等

    Watchクラスの状態遷移例

    例1)上方監視
    ◆遷移条件:
    TRUEとなる閾値: 80
    FALSEとなる閾値:70 (変移値:10)
    TURE監視間隔 :60
    FALSE監視間隔:30
    TUREに状態遷移する判定回数:3
    FALSEに状態遷移する判定回数:2

    【コマンド】
    threshold gt value 80 hysteresis 10
    interval 60 30
    times 3 2

    遷移前の状態 遷移後の状態 遷移条件
    unknown TRUE 監視対象の値が80を超えた状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき
    unknown FALSE 監視対象の値が80以下の状態が、30秒間隔で2回連続して続いたとき
    TRUE FALSE 監視対象の値が70以下の状態が、60秒間隔で2回連続して続いたとき
    FALSE TRUE 監視対象の値が80を超えた状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき

    例2)下方監視
    ◆遷移条件:
    TRUEとなる閾値: 80
    FALSEとなる閾値:90 (変移値:10)
    TURE監視間隔 :60
    FALSE監視間隔:30
    TUREに状態遷移する判定回数:3
    FALSEに状態遷移する判定回数:2

    【コマンド】
    threshold lt value 80 hysteresis 10
    interval 60 30
    times 3 2

    遷移前の状態 遷移後の状態 遷移条件
    unknown TRUE 監視対象の値が80より小さい状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき
    unknown FALSE 監視対象の値が80以上の状態が、30秒間隔で2回連続して続いたとき
    TRUE FALSE 監視対象の値が90以上の状態が、60秒間隔で2回連続して続いたとき
    FALSE TRUE 監視対象の値が80より小さい状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき

    例3)上方監視 (閾値に等しい場合も含む)
    ◆遷移条件:
    TRUEとなる閾値: 80
    FALSEとなる閾値:70 (変移値:10)
    TURE監視間隔 :60
    FALSE監視間隔:30
    TUREに状態遷移する判定回数:3
    FALSEに状態遷移する判定回数:2

    【コマンド】
    threshold ge value 80 hysteresis 10
    interval 60 30
    times 3 2

    遷移前の状態 遷移後の状態 遷移条件
    unknown TRUE 監視対象の値が80以上の状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき
    unknown FALSE 監視対象の値が80より小さい状態が、30秒間隔で2回連続して続いたとき
    TRUE FALSE 監視対象の値が70より小さい状態が、60秒間隔で2回連続して続いたとき
    FALSE TRUE 監視対象の値が80以上の状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき

    状態遷移時のイベント発生有無

    イベントアクション unknown
    →TRUE
    unknown
    →FALSE
    TRUE
    →FALSE
    FALSE
    →TRUE
    clear ipsec-session
    add ip route
    send e-mail
    send snmp-trap

    add ip routeで発生するイベントは以下のようなります。
    unknown→TRUE:経路追加
    TRUE→FALSE:経路削除
    unknown→FALSE:イベントなし(経路なし→経路なし)
    FALSE→TRUE:経路追加

    clear ipsec-sessionでは、False遷移時はイベントは発生しません。

    【設定例】

    CPU使用率を監視します。
    状態が遷移したときに、email送信を行います。
    (TRUE, FALSEいずれの状態遷移でもイベントは発生します)

    状態遷移発生には、イベント発生時はslogに記録します。

    ◆遷移条件:
    TRUEとなる閾値: 80
    FALSEとなる閾値:70 (変移値:10)
    TURE監視間隔 :60
    FALSE監視間隔:30
    TUREに状態遷移する判定回数:3
    FALSEに状態遷移する判定回数:2

    遷移前の状態 遷移後の状態 遷移条件
    unknown TRUE 監視対象の値が80を超えた状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき
    unknown FALSE 監視対象の値が80以下の状態が、30秒間隔で2回連続して続いたとき
    TRUE FALSE 監視対象の値が70以下の状態が、60秒間隔で2回連続して続いたとき
    FALSE TRUE 監視対象の値が80を超えた状態が、30秒間隔で3回連続して続いたとき

    【config】
    !
    ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 10.150.1.1
    !
    !
    mail to admin@xxxxx.co.jp
    mail from F200@xxxxx.co.jp
    mail server 158.202.233.38
    !
    !
    hostname F200_1
    !
    !
    event-class 1
    check watch-class 1
    logging event state-change enable
    exit
    !
    watch-class 1
    logging event state-change enable
    target cpu-utilization
    threshold gt percentage 80 hysteresis 10
    interval 60 30
    times 3 2
    exit
    !
    event-action 1
    logging event state-change enable
    send e-mail
    e-mail subject event-action1
    e-mail body true-to-false TRUE->FALSE
    e-mail body false-to-true FALSE->TRUE
    exit
    !
    event-map
    event-class 1 event-action 1
    exit
    !
    !
    interface ewan 1
    ip address 10.150.1.20 255.255.255.0
    exit
    interface lan 1
    ip address 172.26.0.1 255.255.0.0
    exit
    !
    !
    end

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