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古河電工時報 第108号

平面スピーカ振動膜の開発

西村 健,飯塚健児,米原秀春,境 克敏,山根基宏

概要

液晶TV,自動車などの薄型軽量化のニーズに対応した,スピーカの厚みが1 cm以下という超薄型平面スピーカ向けの振動膜を開発した。振動膜は,渦巻き状のボイスコイルがフィルム基材の両面全面に形成されたものであり,静磁界解析を用いた回路設計技術により高音質の音響特性を実現した。また,振動膜を構成するフィルム基材,銅コイル,エッジの材料物性と形状から,低音域の再生帯域を固有値シミュレーションで予測する帯域設計技術の開発により,100 Hzで65 dB以上の低音再生を達成した。本振動膜を用いた平面スピーカは,平面状の振動膜の全面で駆動力が発生するため,面音源として平面波を放射し,位相が平坦で鋭い指向性を有する。更に,従来のコーン形スピーカのように紙を使っていないため耐熱・耐湿性に優れ,水中駆動も可能であるとともに,個々のサウンドセルが小さいためにハウリングが生じにくいという際立った特徴を有する。


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