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古河電工時報 第111号

高温超電導電力ケーブルの技術開発

向山晋一,石井 登,飯塚博之,八木正史,平野寛信,丸山 悟,八木幸弘,三村正直,佐藤 修,菊地文英

概要

古河電工では,平成12年度よりスタートした経済産業省プロジェクト「交流超電導電力機器基盤技術研究開発」に参加して,超電導電力ケーブルの研究開発を実施している。超電導電力ケーブル(超電導ケーブル)は,ケーブルの小型化と大容量送電が可能であり,電力システムに対して「CO2排出抑制」,「環境調和性の向上」,「安定度向上」,「コストダウン」のニーズに十分答えることができ,大きな導入効果が期待できる。

超電導ケーブルの実用化においては,大容量で低損失特性をもつ超電導ケーブルの開発と,500m級の長尺冷却技術が必要と考えられている。大容量,低損失技術の開発においては,古河電工が開発したフィラメントツイスト線材と,超電導導体のピッチ調整技術を用いることで,3kAの電流容量で1W/m級の低損失を実現できている。また,長尺冷却技術開発においては,30m長さの超電導モデルケーブルを用いて冷却収縮特性,熱損失特性,液体窒素の流動特性を評価し,所定の性能を得ることができた。長尺冷却技術開発では,30m超電導モデルケーブルの成果を反映させて,世界最長となる500m級の単心超電導ケーブル(77kV級)を製造し,電力中央研究所 横須賀研究所殿にて布設試験,冷却試験,長期課通電試験を平成16年に実施する予定である。


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