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古河電工時報 第114号

高性能りん青銅の特性に及ぼす組織の影響

三原邦照,江口立彦,山本尚志,金森宏明

概要

近年の携帯電話など電子機器は小型化,高密度化,そして薄型が進んでいる。それに使われるコネクタは狭ピッチ,低背化になっており,それらのコネクタに使われる銅合金は高強度で曲げ加工性に優れる要求がある。我々は,りん青銅にFeとNiを微量添加したF5218,F5248を開発し,その組織が及ぼす特性について調査して次の結論を得た。

再結晶した結晶粒径と強度は,Hall-Petchの関係式で示すことができる。F5218とF5248は,結晶粒径を制御することで高強度と優れた曲げ加工性の特性を有する。さらに,結晶粒径が小さくても応力緩和特性が低下しない。これは,Fe-Ni-P析出物の作用である。

F5218,F5248の結晶粒径の成長は,C5210,C5240よりも遅い。これは,Fe-Ni-P析出物が成長を抑制しているためである。


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