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古河電工時報 第115号

平板型マイクロヒートパイプの伝熱特性について

木村裕一,中村芳雄,素谷順二,勝田正文

概要

近年コンピュータ等の電子機器において,実装のしやすさや熱源への装着の容易性などから,薄型の平板型マイクロヒートパイプが注目されるようになってきている。本報では,この薄型特殊平板型マイクロヒートパイプの定常伝熱特性の詳細について実験的に確認を行なうとともに,最大熱輸送量の予測方法について提案していくものである。また,ヒートパイプ自体の動作が実状常温から開始されることから,性能測定に際してステップ入力による過渡特性についても評価を行った。

定常測定においては,ファンの冷却能力を調整することにより,ヒートパイプ断熱部温度を50℃に設定して評価を行った。また,ここでは作動液量と蒸発部及び凝縮部長さをパラメータとした。結果として作動液量を増加させると最大熱輸送量は増加することが確認できた。また,最大熱輸送量は蒸発部や凝縮部の長さが長くなるに従い大きくなることも確認できた。これらの結果から,最大熱輸送量をより正確に予測するため,圧力バランスの式の見直しを行った。

過渡測定においては,凝縮部に取り付けたペルチェ素子の能力を調整することにより,ステップ入力の増加による温度上昇を一定に保持した。ここでは作動液量とヒートシンクの温度及びステップ入力の間隔をパラメータとして評価を行った。結果として最大ステップ入力は定常試験における最大熱輸送量より作動温度が低くなることにより小さくなることが確認できた。


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