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古河電工時報 第115号

車載部品用熱解析ツール

真下啓治,長瀬浩,斉田幸弘,小泉健,陣鎌真一

概要

車載部品設計に供するCAE連携ソフトウエアツールとそれを用いた設計手法について述べる。自動車の電子化の進展はめざましく,電子回路設計が車の性能に与える影響も大きい。そうなれば回路設計と熱解析を連携させて効率よく最適な設計を行うことのニーズは高まってくる。従来でも市販の回路設計ソフトを活用することで概略の熱解析は問題なく行える状況にはあった。しかしながら,ジュール熱の分布や局所的な熱伝達係数をきめ細かく設定することはできず,実製品の設計ニーズを満足するレベルのものではない。上記問題を解決し,回路設計の効率化に寄与できるソフトウエアツールを開発したので報告する。本開発ツールの主な機能は部品ライブラリから構築した形状データに境界条件を付与して市販解析ソフトに受け渡せるようにしたことである。部品ライブラリ中には形状,各部位の熱伝達率,発生熱量,材料物性,及び熱的に等価な端子構造のデータが格納される。市販のツールのみでも形状データは構築可能であるし,やや手間をかければ各部位への熱伝達率の入力も不可能ではないがそれ以外の必要パラメータを手入力で入れるのは実質的に不可能であった。第一の手順ではCADベースの形状データと主にライブラリから受け渡される部品データが連結される。次にこのデータが加工され市販の解析ソフトで認識できる形式のデータとして出力される。結果として上記開発ツールにより解析に要する時間が約半分に減少した。


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