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古河電工時報 第116号

アルミニウム合金鋳塊におけるバットカール現象のシミュレーション解析

石川宣仁

概要

プレートやシートコイルのアルミニウム合金圧延材を製造するには,まずDC鋳造(direct chill casting)によって鋳塊を製造する必要があるが,その鋳造初期で発生するバットカール(鋳塊底部の反り上がり)は湯漏れや鋳塊割れの原因となり生産性を低下させている。この発生メカニズムを究明するために,凝固ひずみと熱ひずみを明確に区別する熱応力モデルを開発した。これにより,サンプ近傍の引張応力による鋳塊底部中心周りのモーメント力がバットカール成長に重要であることを明らかにした。実機と同じく,2次冷却水が鋳塊尻部に衝突する時点からバットカールが急成長し,その後鋳塊尻部が冷却剛体化することにより成長が鈍化する過程を精度よく再現することができた。


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