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古河電工時報 第117号

PLC型トランスバーサルフィルタを用いた可変分散補償器(TDC)の開発

川島洋志、松原礼高、奈良一孝

概要

40Gbpsシステム等の高速光通信においては,伝送路の分散変化を付加的に補償する適応分散補償が必要とされており,これまでに種々の方式の可変分散補償器(TDC)が検討されてきた。中でも,石英系平面光波回路(PLC)で形成した有限インパルス応答(FIR)フィルタ型TDCは,種々の分散波形に対応可能,中心波長調整が可能,複数チャネル同時補償可能などの点から有望視されている。その一種であるトランスバーサルフィルタは,遅延線(タップ)数増加による分解能向上が容易,モニタ回路による高精度の特性調整が可能といった利点がある。そこで,我々は8タップの光トランスバーサルフィルタを比屈折率差Δ=1.5%の石英系PLCで作製し,動作確認を行った。その結果,計算結果とほぼ一致する分散変化を実現でき,-71~+109ps/nmの分散,10dB以下の挿入損失,約0.5nmの動作帯域を得た。さらにタップ数増加による分解能向上効果を確認した。


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