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古河電工時報 第117号

サーモイン®チューブのガス発泡化

稲森康次郎、岡留正博

概要

サーモインチューブSN-UGAは、データセンターのような高発熱機器が多数存在する室内の空調用に開発された冷媒管用断熱被覆銅管である。主被覆材として、耐熱性と断熱性に優れたポリプロピレン(PP)発泡体を使用している。従来、PPの発泡方法としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)を用いた化学発泡を使用してきたが、ADCAは高価であり、さらに熱分解の際に発生するアンモニアが、実使用上は問題ないレベルであるものの銅管変色等の原因になるという問題があった。そこで、本研究ではPPの炭酸ガスによる発泡を検討した。炭酸ガスで発泡させると、炭酸ガスの溶解により樹脂の粘度が低下し、気泡が破泡しやすくなるという問題があるが、タンデム押出機を使用し、さらにPPにゴム成分を添加することでこれらの課題を克服した。最終的に発泡倍率5倍のポリプロピレン発泡体を得ることができた。


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