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古河電工時報 第121号

Cu-Ni-Si系合金におけるCr添加による結晶粒微細化技術の開発

廣瀨清慈

概要

Cu-Ni-Si系(コルソン)合金における,溶体化温度,結晶粒径,強度及び曲げ加工性の関係を調べた。溶体化において粒界上のNi2Si系析出物の固溶に伴い,結晶粒径の粗大化が進行する。Ni及びSiの溶質濃度が高濃度の場合には,結晶粒径の粗大化により,曲げ加工時に粒界での破壊が起こり曲げ加工性が劣化する。しかしながら,Crを微量に添加することによってNi-Si-Cr化合物及びCr3Siを析出させ,それら化合物によって粒界をピン止めすることで結晶粒を微細に制御したままでの溶体化処理を可能にした。Cr添加による結晶粒制御技術の開発により,高濃度のコルソン合金において良好な曲げ加工性と強度向上の両立を達成したEFTEC®-98S合金を開発した。


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