ページの始まり



古河電工時報 第121号

摺動接点の初期抵抗上昇に及ぼすSnめっき厚さの影響

水戸瀬賢悟、吉田和生、須齋京太

概要

接点表面のSnめっきの厚さが,微摺動時の接点抵抗に及ぼす影響を調査した。Snめっきを施したCu-Ni-Si合金条を加工して,半球形状のインデント加工を施した試験片(ライダー)と,平板状の試験片(フラット)とを作製した。両試験片を3Nで接触させ,20℃,湿度65%の環境の下,低周波の微摺動磨耗試験を行った。摺動距離を30μmとし,5mAを通電して接点抵抗を計測した。Snめっき厚さが0.5μmのフラットの場合,接点抵抗は少ない摺動回数で上昇した。抵抗が上昇する時期で試験を止めてサンプリングし,波長分散型X線分光法,及びオージェ電子分光法により接点領域を分析した結果,Snの酸化が抵抗上昇の主因であると推定した。更に,Snめっき厚さを薄くすることにより,抵抗上昇を抑制できることを見出した。


ここからサブカテゴリメニュー

サブカテゴリメニューここまで


ページの終わり