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古河電工時報 第131号

スマートグリッド分野における超電導技術の展開

向山晋一

概要

今から1 世紀前に発見された超電導は,その後線材化の研究が進み,大電流を低損失で送ることができる線材として実用化・商用化された。それに伴い,MR(I 核磁気共鳴画像法)マグネットをはじめとした応用機器の実用化も進んできており,超電導の特長を生かした機器開発も進んできている。この中で,液体窒素温度で超電導になる高温超電導材料が25年前に発見され,その応用分野も電力や産業分野に適用できる機器に広がる可能性をもち,多くの開発が進められている。一方,この1世紀の間に,人口増加が急速に高まり,それに伴いエネルギー源としての化石燃料の消費も急激に高まってきている。そのため,地球温暖化や化石燃料の枯渇などグローバルな問題も顕在化している。超電導技術は,省エネ技術として期待できる。さらに,人類が直面している危機への対応としてのスマートグリッド構想において,超電導技術が再生可能エネルギーの量的導入を可能とする技術になると予測されることより,古河電工においてもスマートグリッドを視野にいれた超電導機器の開発をスタートした。本書において,スマートグリッドへの適用可能な機器の解説とその開発状況について報告する。


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