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古河電工時報 第133号

精密射出成形における成形収縮の安定化

大丹生海里、前野耕一、亀井好一、佐藤新治、末松克輝

概要

精密射出成形技術における重要因子の一つである成形収縮の安定化を行うため,センサを組み込ん だ金型にて精密射出成形品の模擬モデル成形を行い,成形パラメータの変化による型内圧,型内温度 および成形収縮への影響を調べた。その結果,以下の知見を得た。

  1. 保圧力の増加は樹脂の充填密度を高め,冷却時における樹脂の体積収縮が抑制されることで成形 収縮を抑制する効果がある。
  2. 金型温度の増加は樹脂の冷却速度を低下させ,成形品が常温まで冷却されるまでの時間が長くな り,成形収縮を促進する効果がある。
  3. 樹脂温度の増加は樹脂の流動性を高め,射出圧力が有効に作用し成形収縮を抑制する効果がある。 同時に樹脂の熱が金型温度を上昇させることで成形収縮を促進する効果もあるため,結果的に成 形収縮の変動は小さくなる。

これらの結果を基に精密コネクタの成形条件適正化を行ったところ,得られた成形品は目標寸法値 に対して誤差±1μm以内の高い精度を実現できた。


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