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古河電工時報 第133号

ナノカプセル化技術による新たなノンハロゲン難燃システムの開発

金宰慶、河中裕文

概要

高分子材料の高難燃化には多量の難燃剤の配合を必要とし,諸物性が著しく低下するといった問題 があった。一方燃焼時の有毒ガス発生の問題からノンハロゲン難燃化の要望が高まっているが,現在 のところハロゲン系難燃剤を上回るほどの性能を持つ材料は供給されていない。そこで既存の難燃剤 を用いてより少ない添加量で大きな難燃効果を付与でき得る一つの解決方法としてノンハロゲン難燃 剤のナノカプセル化技術を取り上げる。ナノカプセル化技術として共粉砕法を用いて難燃剤を層状化 合物にナノカプセル化することに成功した。このナノカプセルは樹脂中では層構造が剥離された部分 と包接状態を保った部分が混在していることがわかった。また作製したナノカプセル剤は難燃剤の挿 入量が少ないが少量でも一定の難燃効果があり,またナノカプセルと市販難燃剤との併用で難燃性の 相乗効果が期待できると考え架橋発泡体に適用した結果,UL94のV-0相当の難燃架橋発泡体の試作 に成功した。


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