内容
ISDN回線に関する,着信時の相手のチェック,複数相手接続,課金リミッタ,輻輳継続許容時間,自局のアドレス,発呼失敗時のリトライ回数,発呼時/着呼時無通信監視タイマ,ISDNリモートターゲットの設定を行います。
オプション
-1 | B1側の回線を指定します。 |
-2 | B2側の回線を指定します。 |
-dp | Dチャネルを指定します(MUCHO-EXでのみ使用できます)。 |
パラメータ
dialcheck={off|on} | データ通信の着信時にISDN網より通知された発信者番号とtargetコマンドで登録されたリモートターゲットの電話番号を比較する/しないを設定します。
「比較する」と設定する場合は,比較の対象として登録されているリモートターゲットのISDN番号の内、外線発信用等の番号を読み飛ばす場合の読み飛ばし桁数(< checkskiplength >)を設定します。外線発信等の特別な番号を登録していない場合は0を設定してください。 全ての着信に置いて読み飛ばす桁数を指定する場合は、具体的な桁数を指定することもできます。 「比較しない」を設定する場合は"off"を設定してください。 |
recvcheck[={on|off}] | 着呼時に相手のPPP認証を行う/行わないを指定します。 |
sendcheck[={on|off}] | 発呼時に相手のPPP認証を行う/行わないを指定します。 |
multimode[={on|off}] | 「発信者番号通知」またはPPP認証(着呼時)を利用してISDN経由で複数の相手と接続するかどうかを指定します。 |
limiter={off|<hour>} | 連続接続時間課金リミッタを動作させるかどうか指定します。動作させる場合,ISDN回線の連続接続時間の上限値(<hour>)を設定します。再度運用を行う場合は,電源を入れ直して装置の再起動を行ってください。 |
congestiontimer=<sec> | 輻輳継続許容時間を指定します。設定された時間以上輻輳状態が継続した場合,自動トラヒック分散機能を開始します。この値はloadsplitコマンドでも設定できます。 |
以降のパラメータは,チャネル1本(Bチャネル/Dチャネル)毎に設定が必要です。
dial=<SNPAaddress> | 自局のISDN番号(<SNPAaddress>)を指定します。ISDN番号を削除する場合は「*」を最後に指定します。 |
*<subaddress> | 自局のISDNサブアドレス(<subaddress>)を指定します。「*」のみを指定した場合は,サブアドレスがないことを示します。 |
caller= <SNPAaddress> | 発信用自局電話番号を設定します。削除する場合には""を指定します。
ダイヤルイン契約している場合で,発信者番号として契約番号とするような場合に設定します。 |
retrytimes=<retrytimes> | 発呼条件が manualで接続した時の異常切断時や,負荷分散回線の自動発呼失敗時,エラーによる切断時の再接続最大リトライ回数(<retrytimes>)を指定します。
メモ 発呼条件がtrafficでの負荷分散回線はB2側の回線が有効になります。 |
idletimer=<sec>[,<sec>] | ISDN回線の無通信監視タイマを指定します。
接続した回線は,無通信監視タイマの間データの中継が発生しないと自動的に切断します。 また,トラヒック分散を自動終了する場合,トラヒックが減少してトラヒック分散回線で無通信状態が継続した時にトラヒック分散を終了します。 「0」を指定した場合は無通信監視を行わずISDN回線は装置により自動切断される事はありません。 なお,最初のパラメータは回線発呼接続時に適用する時間(発呼時無通信監視時間)。 2番目のパラメータは回線着呼接続時に適用する時間(着呼時無通信監視時間)となります。 注意 コールバックサーバを運用する場合は「着呼時無通信監視時間」で無通信監視してください。コールバックサーバがコールバック要求によって発呼した接続は「着呼時無通信監視時間」で監視され、切断されます。 コールバックサーバの設定はtargetコマンドで行います。 |
target=<targetname> | ISDN回線を使用して複数の相手との通信を行わない場合,宛先のISDNリモートターゲット(<targetname>)を指定します。(「ISDN回線リモートターゲットの設定(target)」) |
mode={traffic|manual} | 発呼条件を設定します。
「traffic」を設定するとトラフィックモードとなり中継すべきデータの発生でISDN回線を接続します。connectコマンドでも接続は可能です。 「manual」を設定するとマニュアルモードとなりconnectコマンドのみでの接続が許されます。 |
recvidletimer={on|off} | WAN側からパケットを受信しても、無通信状態と見なすかどうかを設定する。
「on」とした場合は、WAN側からの受信に関しては無通信状態とします。 「off」とした場合は、WAN側からの受信は通信状態として扱います。 |
globalnumber={allow|deny} | グローバル着信を許可するかどうかを指定します。
工場出荷時:allow |
機能説明
パラメータ指定がない場合は設定内容を表示します。
「発信者番号通知」の比較について
PPP認証について
- 「比較する」と設定した場合、着呼時に通知された発信者番号が登録されているリモートターゲットの電話番号とどれも一致しなかった場合、その呼は受け付けません。この場合、相手には正常切断となります。
- 「比較する」と設定した場合、発信者番号通知を行わない相手からのデータ通信用の着信は全て拒否します。「発信者番号通知」はISDN回線網内では無料で契約利用できるNTTのISDN基本サービスの一つです。
- ISDN番号チェックをする場合,宛先のISDN番号(「ISDN回線リモートターゲットの設定(target)」は市外局番を含めて指定します。
- アナログ通話における発信者番号通知の比較は「識別着信」を参照してください。
複数の相手との接続
- PPP認証にはPAPとCHAPがありますが、これはtargetコマンドにてリモートターゲット毎に指定します。
- PAPはCHAPと比較してセキュリティ上弱いプロトコルであることが知られています。PPPの認証手順としてCHAPを使用することをお奨めします。
無通信監視(idletimer)について
- 最大20箇所の相手がtargetコマンドで登録できますが、同時に接続できるのは最大2箇所までです。
- 着信時、登録されている相手から適切な相手を選ぶ為に発信者番号またはPPP認証で使用される認証IDを使用します。着信時にPPP認証を使用しない場合、相手からの「発信者番号通知」が必要になります。「発信者番号通知」はISDN回線網内では無料で契約利用できるNTTのISDN基本サービスの一つです。
- iptargetコマンドで対応する相手と該当のリモートIPアドレスの結び付けを行ってください。
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- ここで設定される発呼接続時の無通信監視時間はconnectコマンドで無通信監視時間が省略された場合でも有効になります。connectコマンドで指定された場合はその期間の長短に関わらず、指定された値が有効になります。
- 接続相手の事情でWAN側からRIPの流入を止めらない環境で無通信監視を利用したい場合には、recvidletimerに"on"を設定してください。recvidletimerが"on"の状態では、WAN側への送信を行わない限り、WAN側から受信しても無通信状態が続いていると見なします。