河原 亮、 橋本 博、Jeffrey W. Nicholson 、 大谷栄介、松下俊一

概要

レーザ加工分野において,加工対象物へ入射するレーザ光を時間的に制御できるパルスレーザは,マーキングや微細加工の用途で普及が進んでいる。このような用途では,加工条件の最適化や,加工速度の向上,および加工領域の拡大のためには,パルス幅や繰返し周波数の可変性や,ビーム品質を維持したまま高出力化することが求められる。当社ではこの要請を満たすために,直接変調型のパル ス光源とその出力を増幅するファイバ型の光増幅器を用いた,MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)構成のパルスファイバレーザを開発した。本パルスファイバレーザは,光ファイバ中の非線形効果を抑制し高ピークパワーの光パルス出力を実現するために,光増幅器を構成する増幅用ファイバとしてOFS製の特殊ファイバを用い,パルス幅がサブナノ秒~数ナノ秒の時間領域において,100 kW超の高ピークパワー増幅と高ビーム品質出力を実現した。

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