最大1000 拠点収容可能なIPsec 集線ルータ
FITELnet® F200 Plus を販売開始
〜中規模センター拠点向け高コストパフォーマンス製品で、導入後の運用コストも大幅に削減〜

2013年11月29日

当社は拠点/中規模センター装置としての実績を有する「FITELnet® F200」をベースに、中規模センター向け機能を拡張したモデル「FITELnet® F200 Plus」をラインナップとして追加し、2014年1月末から販売開始します。

最大1000拠点のIPsec1収容を可能としながら低価格を実現したコストパフォーマンスに優れた製品であり、最大500拠点のL2トンネル接続を可能とするほか、L2中継時におけるQoS機能をサポートする等、L2トンネリング機能を強化します。

背景 / 概要

クラウドサービスの利用増加や、TV会議・電話会議等のコミュニケーションツールの普及によって、企業通信トラフィックは従来のセンター拠点一極集中型から拠点分散型に移行しつつあり、センター拠点に求められる性能・スケールも変化しています。「FITELnet® F200 Plus」は、数百拠点を収容する中規模センター向け製品として、セキュアなネットワークを構築するための最適なソリューションを提供します。

さらに、IETF提案中のMPSA(Multi-point Security Association) 機能のセンター機として利用することで、拠点間フルメッシュIPsec構成を簡易に構築可能です。MPSAでは、各拠点間は直接通信を行うためセンター拠点へのトラフィック流入を抑制し、回線コストも削減できます。また、拠点の追加・削除時においても既存拠点側の設定変更が一切不要で、自動で暗号化された拠点間の通信路を確立するため、導入後の運用コストも大幅に削減します。

当社は設計・開発・製造・保守を一貫して自社で行う国産メーカの強みを活かし、きめ細やかなサポート体制で、これからの企業ネットワークを支えていきます。

図1 FITELnet® F200 Plus 外観

標準価格と販売目標台数

標準価格(税別): 248,000円
販売目標台数 : 年間3万台 ※FITELnet®-F シリーズ全体

FITELnet® F200 Plusの特長

  • 上位クラス装置に迫るIPsec(注1)拠点収容数
    最大1000拠点のIPsec収容を可能としながら低価格を実現しています。数百拠点を収容する中規模センター機として最適です。
  • L2トンネリング機能を強化
    EtherIP機能、L2TPv3(注2)機能をサポートし、最大500拠点とのL2トンネル接続が可能です。また、L2中継時においても、L3と同等のQoS(注3)機能をサポートします。
  • 全ポートにギガビットイーサネットインタフェースを搭載
    WAN側2ポート/LAN側8ポートの全てのEthernetポートにギガビットイーサネットインタフェースを搭載しています。
  • MPSA (Multi-point Security Association) 機能を搭載
    標準化団体のIETF(Internet Engineering Task Force)へ提案中のMPSA機能をサポートします。MPSAは、大規模なIPsec網における設定の煩雑さ・スケーラビリティ・遅延といった課題を解消し、拠点間通信に必要な情報をMPSA Controller がすべてコントロールする、SDN(Software Defined Networking)の概念を取り入れたまったく新しいIPsec拡張方式であり、C/D分離・集中管理によるネットワーク設備の最適化を実現します。
    コントロールプレーン(C-Plane)には、IKEv2やBGPといった標準技術を採用し、データプレーン(D-Plane)は単一のMPSAを用いたフルメッシュIPsec通信が可能です。CPEの追加・削除時においても既存拠点側の設定変更は一切不要で、自動で暗号化された拠点間の通信路を確立することが可能です。

図2 MPSA を利用したこれからの企業VPN

用語解説

(注1)IPsec:
VPN を実現する方式です。転送データ(パケット)を暗号化、トンネリング、復号化することにより、途中経路でのデー タ改竄・盗聴を防ぎ、セキュリティが確保されたバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を構築することが可能です。

(注2)L2TPv3:
Layer2 Tunneling Protocol。VPN(仮想プライベートネットワーク)を実現するためのトンネリング技術のひとつです。 バージョン3(L2TPv3)がRFC3931で定義されています。

(注3)QoS (Quality of Service):
使用する帯域やデータ伝送の優先度、伝送遅延など、サービスの伝送品質のことです。ネットワ ーク上で、ある特定の通信のための帯域を予約し、一定の通信速度を保証する方法としても用いられます。