船舶A級電線貫通部 延焼防止+水密気密材『ロクマリン®-タイト』の販売を開始

2013年5月22日

古河電工産業電線株式会社 株式会社古河テクノマテリアル 

古河電工産業電線株式会社(本社:東京都荒川区、社長:服部吉孝、以下「古河電工産業電線」)と株式会社古河テクノマテリアル(本社:神奈川県平塚市、社長:戸﨑敏夫、以下「古河テクノマテリアル」)は、船舶に用いられる延焼防止+水密気密工法『ロクマリン®-タイト工法』を共同開発しました。

5月23日より、古河電工産業電線を通じて販売を開始します。

開発品の概要

船舶内に設けられた防火区画用の隔壁や甲板を、電線などが貫通する部分については、所定の耐火性能を有する材料・工法で延焼防止を施すことが義務付けられています。また、機関室やオープン甲板などの仕切りでは一定の水圧や気圧(ガス圧)に耐えうる特性が要求されています。

両社は、建築分野で培った古河テクノマテリアルの延焼防止および材料開発技術と、舶用電線において同じく長年の実績を有する古河電工産業電線の技術を合わせることにより、船舶での貫通部に適した新技術の開発を行なってきました。

船舶防火隔壁ならびに甲板用として、『ロクマリン®-タイト工法』およびこれに使用する『ロクマリン®-タイト-ライトシール材』『ロクマリン®-タイト-ハードナー』を開発し、船級認証を取得し、5月23日より販売を開始します。

製造を古河テクノマテリアルが担当し、販売を古河電工産業電線が担当します。

開発品の内容

海上の船舶における火災時の延焼防止対策として、船体内部を構成する隔壁や甲板は、一定空間毎に防火区画としての機能が要求されています。これらの区画は、その設置基準毎に耐火時間等が定められており、最大で60分の耐火性能(A級60分:鋼又は鋼と同等の材料である隔壁や甲板が60分の耐火性能を有するもの)が必要となります。さらに船舶内で用いられる電線や配管などが、これらの区画を貫通して設置される場合も、電線等を伝って火災が拡大することのないよう、貫通部分について区画同等の耐火性能が要求されます。この部分は『船舶A級電線貫通部』と称され、当該貫通部を穴埋めする材料・工法(以下、防火部材)については、公的試験機関により性能検証が行なわれ、各国の船級認証機関により承認されます。

両社はこれまでに共同で開発を行ない、60分の耐火性能を有するA級耐火工法『ロクマリン®工法』およびこれに使用する『ロクマリン®-耐火ブロック』『ロクマリン®-耐火シール材』を製品しています。一方で、機関室やオープンデッキなどの区画では防火機能に加え、水密気密(ガス密)対策として一定の圧力に耐えうる機能も要求されています。

そこでこの度、『ロクマリン®工法』の新たなラインナップとして、防火機能を有した水密気密タイプの貫通部工法、『ロクマリン®-タイト工法』を開発しました。従来の水密気密工法は主剤と硬化剤の2種を混交する流し込み材を用いたものが主流ですが、ロクマリン®-タイトの流し込み材(ロクマリン®-タイト-ハードナー)は水道水と混ぜるだけなので、専用の液体が不要となり、部材を軽減させることができ経済的です。

新製品の特長

  1. 優れた施工性
    柔軟な非硬化型軽量パテ(ロクマリン®-タイト-ライトシール材)で開口部を塞き止めし、流し込み材(ロクマリン®-タイト-ハードナー)を充填するだけの施工です。また、流し込み材は水道水と混ぜるだけですので、簡単かつ短時間で完了できます。
  2. 施工時間の短縮
    流し込み材は施工後の硬化時間を早めに設定(夏場:約30分、冬場:約60分)しており、施工時の確認作業時間を短縮することができます。
  3. 多様な電線に対応
    各種船用電線、各種耐火・高圧船用電線、その他各種特殊電線(シリコン、ノンハロ被覆等)など、多種類の電線ならびにその組み合わせに対応しています。また電線外径は最大85.6mmまで施工できます。
  4. さまざまな開口に対応
    コーミング(矩形)開口部は最大300×800mmから最小170×200mmまで、SGP(丸穴)開口部は最大φ200mmから最小φ100mmまで対応できます。コーミング・SGP長さは100〜150mmと短く、軽量化が図れます。
  5. 水密気密特性
    水密:0.25MPa×60分
    気密:0.03MPa×60分

船級

NK(財団法人日本海事協会)取得 型式番号:13FPA31DA
JG(国土交通省)申請中
MED(EU加盟国)申請中