独自のワイヤレス電力伝送システムを開発
〜産業用途の充電システムに応用可能〜

2013年11月21日

当社は、非常に小型・薄型でフレキシブルな電力伝送部を特徴とするワイヤレス電力伝送システムを新たに開発し、このたび実証実験に成功しました。

今回、当社が開発したワイヤレス電力伝送システムは、電力伝送用電極を、薄型でフレキシブルな導電性材で構成可能で、電極を搭載する機器の意匠性向上や小型・軽量化に貢献するものです。

また、伝送方式をより高周波化することで、送電部・受電部の小型化が図れるため、ワイヤレス充電システム全体の軽量小型化にも貢献することが可能になります。

今回の実証実験では、約200mm角(アルミ製、重量200g以下)の電極で、1kWの送電に成功しました。伝送距離50mm以上、伝送効率90%以上、伝送周波数は、27.12MHzを実現しました。

当社では、このワイヤレス電力伝送システムを、産業用途の充電システム(電動搬送車:無人搬送車、ロボット等)への適用を皮切りに、将来的には家庭向けにも今後普及が進むと考えられている介護ロボット等含め幅広い充電システムへの参入を目指し、実用化に向けた検証実験を進めて参ります。

開発の背景

当社は、高圧電力ケーブルや放送用アンテナ(東京タワー等)等のブロードバンド関連製品の開発を通じ、高電圧技術と高周波技術を共に構築して参りました。

当社独自方式は、この様な技術背景から生まれた方式で、電圧駆動で電力を伝送し、高周波化により、送電部や受電部の小型化が可能な方式です。更に、電力伝送部へ金属片含む異物が侵入・付着しても、原理的に異物を誘導加熱することがなく、異物侵入・付着起因で電力伝送部が焦げたり燃えたりすることの無い、安全な給電システムを提供可能です。電力伝送する電極部は、薄型でフレキシブルな導電性材で実現でき、軽量・薄型・意匠性に優れています。

来年度には、3kWクラスの電力伝送が伝送距離300mmまでは可能になると考えており、実用化に向けた検証実験を進め、より大電力が必要な充電システムや家庭向け含む幅広い充電システムへの参入を目指して参ります。

実験系ブロック図

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