超軽量の低圧分岐付きアルミ電力ケーブルを初納入
~モールド加工による絶縁を施し、軽量化と省力化を実現~

2016年7月28日

当社は、幹線ケーブルの導体にアルミニウム導体を採用した低圧分岐付ケーブル「超軽量ハイブリッド・ビル用ハーネスケーブル」(以下、超軽量ハイブリッドBH)を開発し、このたび安藤ハザマ殿が技術研究所内に建設した研修用宿泊施設の低圧幹線の一部として初納入しました。

背景

ビルやマンションなどの電気室から各階への電力供給は、電線メーカーで分岐線を必要位置に必要数量接続し、モールド加工により絶縁を施した低圧分岐付きケーブルが広く使用されています。

また近年、建設現場での労働者の人手不足や高年齢化が深刻化しており、その影響で省力化の重要性が一段と高まってきています。また、ケーブルの導体には一般的に銅が使用されていますが、地金価格変動リスクが懸念されています。

内容

今回初めて納入した超軽量ハイブリッドBH は、製品質量の大部分を占める幹線ケーブルの導体にアルミニウムを採用することで、現行の古河ビル用ハーネスケーブルに比べて約半分の質量を実現しました。通電容量を銅導体ケーブルに合わせた場合、幹線ケーブルサイズが1サイズアップしますが、それでも約30 %の質量を軽減することに成功しました。

また分岐線に銅導体を採用し、あらかじめ工場で幹線と接続しておくことで、電力量計や分電盤等の既存設備との接続を容易としています。

さらに分岐モールド部を新たに設計し、コンパクト化を図ることで、現在の床貫通孔の大きさでも通線可能にしました。
超軽量ハイブリッド・ビル用ハーネスケーブル

超軽量ハイブリッド・ビル用ハーネスケーブル

本製品は、古河電工グループの古河電工産業電線株式会社(本社;東京都荒川区、社長;松本 康一郎)と共同開発したものであり、古河ビル用ハーネスケーブルの高い信頼性を継承しつつ、アルミニウム導体の長所を生かすための技術が盛り込まれています。設備との接続作業や床貫通孔への対処はそのままに、ドラムの荷降ろし、移動、切り返しや吊り上げ作業といった作業の省力化を実現しました。

当社は、人手不足の現場で求められている「省力化」、「簡単」、「扱いやすさ」、「短時間」、「メンテナンス低減」に貢献する商品群を「古河らくらく商品」と名付け、展開しています。今後、超軽量ハイブリッドBH の売上高を2018年度までに1億円に拡大する予定です。

納入物件概要

納入先 安藤ハザマ TTC つくば (TTC=Technology Training Center)
鉄筋コンクリート(RC)造
地上3階 延床面積:2,755.58m2 宿泊用個室120室
納入品 低圧分岐付きケーブル「超軽量ハイブリッドBH」 1組
・幹線:600 V AL-CVT 3×100 mm2(+600 V Cu-CVT 3×60 mm2
・分岐線:600 V Cu-CVT 3×22 mm2