自動車用ワイヤーハーネス用の防食端子ラインナップを大幅に拡充
~ アルミ化をさらに加速し、自動車のグリーン化に貢献 ~

2017年4月26日

古河電工グループの古河AS株式会社(本社;滋賀県犬上郡、社長;柴田 勝美、以下、当社)は、自動車用ワイヤハーネス(以下、W/H)のアルミ電線に適用する防食端子(以下、「α端子シリーズ」)のラインナップを大幅に拡充し、本年1月より本格量産を開始しました。
優れた防食性と既存コネクタハウジングへの適用などを実現した「α端子シリーズ」の適用範囲を広げるすることで、W/Hのアルミ化をさらに加速し、自動車のグリーン化に貢献します。

背景

近年、自動車の軽量化と銅資源の枯渇・価格高騰を背景に、W/Hのアルミニウム化に注目が集まっています。大型SUV車の場合、W/Hの総重量がアルミニウム化によって3~4割程度、軽量化されると試算されており、自動車の燃費向上への貢献が期待されています。
一方で、アルミW/Hは、アルミ電線と端子(銅合金製)間に良好な電気的接続を確保するため、端子部分への異種金属間の腐食対策が必要不可欠となっています。これまでのアルミW/Hは、製造時の端子圧着時に別工程処理が必要であり、製造コストが大きく嵩むこと、専用のコネクタハウジング(注1)が必要なため、汎用性に欠けることなどがW/Hのアルミ化を進める際の障壁となっていました。
当社は、世界トップレベルの優れた防食性能および防食処理コストの削減、既存コネクタハウジングへの適用を実現した防食端子「α端子シリーズ」の開発に成功し、2015年8月より090サイズ(注2)端子(タブ幅2.3mm、適用電線範囲0.75mm2~2.5mm2、全8品種)を量産しています。

(注 1)コネクタハウジング;
電線を圧着した端子を収容し、極間の絶縁や、オスメス端子の嵌合・保持を行う部品です。W/Hに対する様々なニーズに合わせて端子の種類毎に極数や端子配列等のバリエーションが多数存在し、汎用的に使われています。

(注 2)090サイズ;
一般的にコネクタの大きさはオス端子のタブ幅で表現し、数字が大きいほど大型のコネクタとなります。

内容

このたび、当社は「α端子シリーズ」ラインナップを従来の090サイズに加えて、新たに小型の060及び025サイズをそれぞれ新たに開発し、本年1月より量産を開始しました。今回のラインナップ拡充により、「α端子シリーズ」は全25品種となり、W/H への適用可能回路が大幅に増加しました。
今回開発した「α端子シリーズ」は、本年3月発売の新型レクサスLC500及びLC500hに新たに採用されています。同車は、室内のW/H(当社製造分)のアルミ化率を3%から25%へ拡大しており、W/Hの軽量化を更に進めています。

今後、当社はα端子シリーズの量産体制を拡充すると共に、W/H製造に必要なα端子シリーズ対応型圧着設備の販売体制を整備することで、端子製品としての販売にも力を入れていく予定です。

「α端子シリーズ」

「α端子シリーズ」

「α端子シリーズ」ラインナップ

古河AS株式会社概要

創業 1950年11月
資本金 30億円
代表者 代表取締役 柴田 勝美
本社所在地 滋賀県犬上郡甲良町尼子1000
主要製品 ワイヤーハーネス、関連電装部品、車載用機能製品
古河電工持株比率 100% (2017年4月現在)