「大河内記念生産賞」を受賞
〜大容量デジタルコヒーレント光通信システム用波長可変レーザモジュールの開発〜

2018年2月13日

当社は「大容量デジタルコヒーレント光通信システム用高出力・狭線幅・広帯域波長可変レーザモジュールの開発」の業績で、公益財団法人大河内記念会から第64回大河内記念生産賞を受賞しました。
贈賞式は、本年3月23日(金)に日本工業倶楽部会館にて行われます。

開発の背景

近年、スマートフォン、クラウドコンピューティング、動画配信、ソーシャルネットワークの普及などにより、通信基幹網及びデータセンタ間での通信トラフィックが世界的に増加しています。このようなトラフィック増加に対応するため、光デジタルコヒーレント(注1)方式による100Gbps/200Gbps の大容量伝送システムの導入が進んできており、信号光源の基幹部品であるITLA(注2)の更なる狭線幅・高出力化望まれていました。

開発の概要

今回受賞したITLAは、インジウム燐系化合物半導体レーザの原子層レベルの結晶成長・プロセス技術による光集積回路形成、当社独自の樹脂接着剤を用いた実装技術、低雑音回路形成技術といった総合技術により狭線幅化(100 kHz)、広帯域(1530-1625 nm)、小型(37.5 mm x 20 mm)を実現したものです。さらに、量産工程において、製造設備等の最適化と改善により、高い歩留まりや生産性向上、安定供給に成功しました。また、品質改善の普段の努力により、品質・納期の点できわめて高いお客様満足度を受けております。その結果、当社製品は世界トップシェアを達成し、情報通信社会の発展に世界規模で貢献しました。

ITLA

ITLA

大河内賞について

大河内賞は、故大河内正敏博士の学界、産業界に残された功績を記念して、1954年(昭和29年)に設立された大河内記念会が、我が国の生産工学、生産技術、生産システムの研究並びに実施等に関する業績の中でも、特に学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な業績に対して贈呈される賞です。当社は過去に生産賞2回、技術賞1回受賞しております。

(注 1)光デジタルコヒーレント;
光の位相(波の状態)を用いることで、信号劣化に強く雑音の影響を受けにくい伝送方式。光の位相情報をデジタル信号処理を用いて検出するため、少ない帯域幅で多くの情報を伝送することが可能となる。

(注 2)ITLA(Integrable Tunable Laser Assembly);
制御回路基板付きの波長可変レーザモジュール。ITLAは外部インターフェースとの通信機能を備えており、ユーザーはコマンドを入力するだけで波長可変等の動作制御を行うことができる。