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ニュースリリース

超小型コネクタ用高強度銅合金条EFCUBE®-STを開発
〜高強度ながら、良好な曲げ加工性、低ヤング率を有し、チタン銅、ベリリウム銅の代替に好適〜

2011年12月19日

当社は、薄型電子機器に搭載される小型コネクタの電気接点材料(端子材)として、高強度コルソン銅合金条「EFCUBE®(エフキューブ)-ST」を開発しました。

本製品は、高濃度コルソン合金(注1)の採用により、高バネ性のニーズに対応すると共に、当社独自の金属組織制御技術により、良好な曲げ加工性と低ヤング率(注2)を合わせて実現しました。

既に、大手コネクタメーカへサンプル出荷を開始し、2013年度には、既に量産中のEFCUBE®-820等も含めたコルソン合金全体で300ton/月の生産量を目指します。

開発の背景

スマートフォンやタブレット端末などの薄型携帯電子機器に搭載されるコネクタでは、小型化、低背化及び多極化が進行し、端子に使用されるコネクタ用銅合金条には、高いバネ性と良好な曲げ加工性という、相反する特性が要求されています。更に、端子の短小化と断面積の減少に伴い、永久変形し難い良好な弾力性(低ヤング率)及び高い電気導電性が求められます。従来の代表的な高強度銅合金(チタン銅、ベリリウム銅)は、高導電性や低弾性の点で不十分であり、コスト面でも課題がありました。

開発品の特徴

当社は、この度、既存のチタン銅条の代替を狙った高強度合金条EFCUBE®-STを開発しました。本開発品は高濃度のコルソン合金をベースにして高強度化を図るとともに、高強度コルソン合金条の課題であった曲げ加工性を、独自の組織制御技術を応用し大幅に高めたものです。

結晶の向きを特性有利な方向に揃えることにより、高強度(耐力:900MPa)でありながら良好な曲げ加工性(最小曲げ半径(注3):1t)を有すると共に、ヤング率がりん青銅並に低い(110GPa)特性を有しており、コネクタの接続信頼性(注4)の向上に寄与するものです。また、導電率はりん青銅やチタン銅の約3倍(35%IACS)で、耐熱性(耐応力緩和性)も高い為、高機能化される端末用途やバッテリーなどの大電流が負荷される電源系コネクタにも好適です。

EFCUBE®-STはNiSiを高密度で析出させた合金であり、条事業部(日光)の最新鋭設備を使用することにより、組織制御管理を安定化させることができ、革新的な銅合金条を開発することができました。

また、リードフレーム用途等で培われた生産技術力により、業界トップレベルの板厚精度、表面品質も実現しています。

昨年開発したEFCUBE®-820より高機能化ニーズの用途を狙って開発したものであり、今後さらに進化する薄型携帯電子機器の小型化に貢献できるものです。

開発品と他材料との特性比較

(注)数値は代表値です

品種 りん青銅
(C5240)
チタン銅
(C1990)
当社開発品
EFCUBE®-ST
特性
電気特性 導電率
(%IACS)
×
10
×
10

35
バネ性 0.2%耐力
(MPa)

800

900

900
耐永久変形 ヤング率
(GPa)

110
×
135

110
曲げ加工性 MBR(注3)
(幅1mm)
×
2t

1t

1t
耐熱性 耐応力緩和性 ×
コスト ×

開発品と他材料との特性比較図

用語解説

(注1)コルソン合金:
CuにNiとSiを添加した合金で、Ni-Si化合物の微細分散による析出硬化型合金。本文に戻る

(注2)ヤング率:
弾性域での応力とひずみの比例関係の定数。ヤング率が低いと、永久変形を開始するまでの弾性ひずみ量を大きくとることが出来、設計の自由度が広がります。本文に戻る

(注3)最小曲げ半径:
Minimum Bendable Radius。クラックを生じずに曲げ加工が可能な最小曲げ半径で、通常、板厚の倍数で表示します。小さいほど曲げ加工性が良好です。

(注4)接続信頼性:
電気接点の接触抵抗の上昇(導通不良)は、接触圧力の低下によって起こります。初期勘合におけるバネ材の永久変形や高温環境で保持した時のクリープ現象による強度低下(応力緩和)が代表的な例です。これらの防止には、コネクタの設計のみならず、銅合金接点材料の強度、弾性、耐応力緩和特性、導電性が重要となります。本文に戻る

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