ポリマークラッドファイバ用LCコネクタ「LC Crimp & Cleave」を発表
〜過酷な環境下での光ファイバの接続がより容易に〜

2014年10月21日

OFS 

当社グループのOFS FITEL, LLC(アメリカ合衆国 アトランタ 社長;Timothy Murray、以下OFS社)は、ファクトリー・オートメーション(FA)などの産業ネットワークに用いられる、ポリマークラッドファイバ用現場取付け型LC コネクタ“LC Crimp & Cleave”を発表しました。

このLC Crimp & Cleave コネクタは、一般のコネクタの取付けで必要な接着剤固定や端面研磨作業が不要で、カシメ及び光ファイバのクリーブ作業のみでLCコネクタを簡単に取付ける事が出来るものです。取付けのための専用工具も小型・軽量で、持ち運び可能なため、光ケーブルの布設現場での取付けが可能です。適用できる光ファイバは、ステップインデックス(SI)型のHCSファイバ(注1)、およびその構造を踏襲したグレーデッドインデクッス(GI)型のGiHCSファイバ(注2)の2種類があります。

LC Crimp & Cleave コネクタ

産業ネットワークは、通常の通信用ケーブルと比べると、より厳しい環境下で使われることも多く、これまで耐環境性の高いHCSファイバなどが広く使われてきました。一方、近年ますます高速伝送化・大容量伝送化が求められており、HCSファイバと同等の耐環境特性を有し、より広帯域なGiHCSファイバも年々需要が増大しています。これらのファイバを取扱いの容易なCrimp & Cleave LCコネクタと共に用いる事で、厳しい環境での光ファイバの布設及びコネクタ取付けも簡単に実施でき、より広い範囲での適用が可能となりました。

この製品を開発したOFS社特殊ファイバ部門は、産業・工業、医療やセンサ分野など、従来の情報通信分野以外の色々な用途で用いられる光ファイバを30年以上開発・製造してきました。その製品群は、ポリマークラッドファイバ以外にも、例えば大口径光ファイバ、耐熱光ファイバ、細径光ファイバや偏波保持光ファイバなど多岐にわたります。Crimp & Cleave LCコネクタは、この長年の経験を生かし、特性・信頼性や取扱い性を重視して開発されました。

今回の新しいソリューションについて、OFS社特殊ファイバ部門の産業・エネルギー市場担当マーケティングマネージャー Mike Hines 氏は次のように説明しています。「光ファイバ端末加工に10分もかかっていた時代は終わりました。今回新たに発表するOFSのCrimp & Cleave 技術で、取付け時間が1〜2分となり、処理がますますシンプルかつ容易になります。また様々な作業現場でコネクタの取付けを行うことを前提に設計しているため、最低限の光ファイバ取扱い経験しか持たない作業者でも、簡単に新規コネクタ取付けや、破損したコネクタの交換・修復ができるようになります。」

主な特徴

  • LCコネクタタイプのSFPトランシーバーに使用可能
  • 取付け作業に電源、接着剤、研磨機など一切不要
  • 作業が容易で、1〜2分で取り付け可能
  • 摩耗、振動、工業薬品への耐性、高い引張強度を有するHCS光ファイバに適用
  • 100Mbps〜1Gbpsのイーサネットへの適用可能

(注1) HCSファイバ:
コアが石英、クラッドが硬質ポリマーで構成されているSI型のポリマークラッドファイバで、一般にHPCF などとも呼ばれています。コア径が200um、NAが0.37と大きく、寸法精度がそれほど高くない光源や受光素子に使用でき、システム全体として安価な構成とすることが出来ます。また、被覆にフッ素系樹脂を用いるなど高い耐環境性を有しており、厳しい環境下でも使用可能な光ファイバです。

HCSファイバ

(注2) GiHCSファイバ:
HCSファイバと同様の構成で、200umの石英部に50umもしくは62.5umのGI型のコアを有している光ファイバです。HCSファイバと同等の耐環境特性を維持しつつ、GI形光ファイバと同等の光学特性を有し、ギガビットイーサネットでの使用が可能です。

GiHCSファイバ

OFSについて

OFSは光ファイバ、光ファイバケーブル、FTTx製品、光接続製品、及び特殊フォトニクス製品の設計、製造、及び供給における世界トップレベルの企業です。我々の製造部門及び研究部門が一丸となり、様々なアプリケーションが世界中の人々や機械を結びつける際に、その間を横断する革新的な製品及びソリューションを提示します。大陸間、都市間、近隣間、そして家庭及び企業のデジタル消費者に対し、我々は適切な光ファイバ、光ケーブル、及び効率的で費用効果の高い伝送のためのさまざまな部品を提供しています。

OFSの会社としての歴史は1876年まで遡り、その中にはAT&T(ニューヨーク証券取引所:T)やルーセント・テクノロジーズ(現アルカテル・ルーセント:ニューヨーク証券取引所:ALU)といった技術大手も含まれます。現在OFSは、光通信において数十億ドル規模の事業を有し、世界的リーダーである古河電工の所有となっています。

OFSはアメリカ合衆国ジョージア州ノークロス(アトランタ近郊)に本社を置き、コネティカット州エイボン、ジョージア州キャロルトン、ニュージャージー州サマセット、マサチューセッツ州スターブリッジ、及びデンマーク、ドイツ、ロシアに拠点を有する、世界的企業です。

OFSの詳細については、ウェブサイト(http://www.ofsoptics.com)をご覧ください。

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Market Manager, Energy and Industry
mhines@ofsoptics.com
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