ユニークなリサイクル技術でプラスチック問題を解決する

エコロジー

プラスチックは軽くて、丈夫で、腐食しにくいことから、さまざまな用途で使われ、年々、プラスチック生産量が増えている。それに伴ってプラスチックごみも増え、毎年約800万トンものプラスチックごみが海洋に流出(注1)していると言われている 。また、海洋流出を防いでも、その大半は焼却されており、気候変動の要因となる温室効果ガスが発生している。

ペットボトルやシャンプーボトルなどの単一プラスチックからできている製品はリサイクルへの取り組みが進み始めたが、ポテトチップスのパッケージや洗剤の詰め替えパックなど数種類のプラスチックやプラスチックとアルミを張り合わせたものは、リサイクルしようとしても強度が低下し、リサイクルが進まない。
古河電工は、このリサイクルされていないプラスチックでも紙や木などの植物繊維を混ぜてアップサイクルする技術、「APFU」(Advanced Paper Fibre Upcycling)を開発した。

(注1) 毎年約800万トンものプラスチックごみが海洋に流出:
WORLD ECONOMIC FORUM “The New Plastics Economy: Rethinking the future of plastics” (2016) 

「APFU」でプラスチックを強度アップ

一般的な加工方法でプラスチックと紙を混ぜると強度が低下してしまうが、「APFU」を用いると紙を繊維状に解した状態でプラスチックに分散できる。魚に例えると、骨が身を補強する役目を果たすように、繊維がプラスチックを補強する。そのため、相溶ぜず、強度が低下してしまう数種類のプラスチックや、アルミを含む場合であっても「APFU」を用いることで、強度アップが可能である。

紙、木材等に含まれる「セルロース繊維」でプラスチックを強化

APFUを用いると、強度が約2倍に

「APFU」を用いたリサイクル事例

食品用の各種パッケージのプラスチックごみと、植物繊維を含む紙パックごみや木粉、コーヒーかすを原材料として、ボールペン本体部を射出成形した。梱包用PPバンドごみとノート端材を原材料として、ガラス繊維強化樹脂と同等の強度を有する椅子背もたれ部を射出成形した。

また、各種プラスチックごみ、紙パックに顔料を加えて、カラフルなコースターをプレス成形した。
更に、3Dプリンタ用材料へ再生することにも成功した。

  • ボールペン

    射出成型

    • 紙パック
    • ポテトチップス袋
    • チョコレート菓子袋
    • 木粉
    • コーヒーかすなど

    協力:ゼブラ株式会社

  • 椅子

    射出成型

    • 梱包用PPバンド+ノート端材

    協力:コクヨ株式会社

  • コースター

    プレス成型

    • ポテトチップス袋+紙パックなど
  • 花瓶、器

    3Dプリンティング

    • 当社積層フィルム工場ロス+紙パック

    協力:エス.ラボ株式会社



当社欧州リサイクル事業推進チームの薮中 健太郎は次のように語る。 「国連環境総会では、プラスチック汚染を根絶するための法的拘束力のある国際条約を策定することが合意されています。また、欧州委員会は、プラスチック戦略の中で、2030年までにEU市場における全てのプラスチック容器包装をリサイクル可能なものとすることを目標に掲げています。当社技術のAPFUは、世界がリサイクルを諦めていたプラスチックごみでさえもアップサイクルできる技術です。また、プラスチックごみを焼却する代わりにAPFUでリサイクルし、バージン材の代わりに使えば、リサイクル材1kgにつき、GHG排出を2.5CO₂-ekg抑制(注2)することができます。APFUの普及を図り、海洋プラスチック問題の解決、気候変動対策に貢献したいと考えています。」

(注2) リサイクル材1kgにつき、GHG排出を2.5CO₂-ekg抑制:
PPの代わりに菓子用フィルムと紙パックをリサイクルした材料を用いた場合。当社テスト製造からの推計値。

海外展示会へのリサイクル推進の活動

  • 2021年9月 Plastic Recycling World Expo

  • 2021年11月 The Greener Manufacturing Show

APFU技術を紹介する英語サイト

動画での紹介