株式会社ZTV様

1994年に三重県津市でケーブルテレビサービスを開始し、現在は三重県、滋賀県、和歌山県、京都府の1府3県にサービスを展開しているZTV様は、法人向けを含め多岐にわたるサービスを展開しています。サービスエリア全域のFTTH化を既に完了して、利用者全戸のFTTH移行を完了しているところにも満足度の高いサービスを展開していることがうかがえます。

地域の情報通信インフラを支えるZTV様ですが、離島へのFTTHサービス拡張については本土と同等のサービスを提供するための採算ラインを見いだせず、計画時から悩みが深かったとお聞きしました。

今回、フレックスフィードFTTH中継装置(MOFN-XREP(10G))(以下、FTTH中継装置(10G))の提案をきっかけに、菅島と神島のFTTH化を実現した経緯についてお話をうかがいました。

FTTH化の進捗について教えてください

当社は2013年にFTTHサービスを開始し、同時にVOD(Video On Demand)サービスも開設しました。VODは大容量コンテンツの幕開けとなるサービスで、FTTHによって実現したサービスといえます。

FTTHサービスを実施するにあたり、津および伊勢放送局にGE-PONを導入しています。伊勢放送局では10Gサービス可能なセンタ装置を導入して、更なる高速サービス化に向けた準備も進めています。通信トラフィックも年々増加しており、今後ますます回線の高速化と大容量化が求められ、10Gサービスのニーズが本格化するのも時間の問題と考えています。

通信技術部技術課課長代理
棚橋昭典様

離島へのFTTH展開の課題は何でしょうか

伊勢放送局管内にある菅島と神島は共に200戸前後の利用者が住んでいます。ここに本土と同等のFTTHサービスを提供するにあたり、初期費用と運用の両面で検討が必要でした。ケーブル布設距離から計算すると、どうしても途中で信号強度の増幅が必要になります。しかしサブセンタを設置してしまうと初期費用が大幅に膨らんでしまいます。居住者の数から計算すると初期投資の回収に時間がかかりすぎてしまうことが大きなネックでした。

そして運用開始後についても、通信障害発生時にすぐに障害対応しにくい地理的な事情があります。故障発生リスクを最小限に抑える線路設計をするため、ベンダーさんに相談していました。

中山貴康常務取締役(右)と棚橋課長代理

菅島と神島にFTTH中継装置(10G)を導入

古河電工さんに相談した際にFTTH中継装置(10G)の提案をいただきました。中継装置はケーブル接続用クロージャくらいのサイズでとてもコンパクトな仕組みでした。電柱上に設置することができ、これなら離島に設置する装置も最小限で故障のリスクが大きく低減すると思いました。初期投資も抑えることができ、二つの課題が一気に解決しました。

また10Gの帯域のまま中継できることが大きな魅力でした。本土と同等の品質でサービスを提供することに事業者としてのこだわりを持っていましたので、ここまで要件を満たしてくれる提案は本当にありがたいと思いました。

中継装置をご提案いただいたときはまだ開発の途中段階でしたが、開局スケジュールに合わせて開発を進めていただけたこともとても助かりました。

離島ならではの大変さはありましたか

ケーブルを布設するためのバケット車を島に上陸させる必要がありましたが、これがなかなか大変でした。本土から運ぶ船はそれほど大きくないので、潮の干満の時間を間違えると上陸させることができません。バケット車を上陸させられるタイミングを計って島に到着させ、島の方々の協力もいただきながら、なんとかうまく上陸させることができました。

FTTH中継装置(10G)を導入したことで離島のお客様のサービスはどのようにかわりましたでしょうか

インターネットの動画配信コンテンツが興盛ですが、HFCのままでは離島の方がサービスを満喫することが難しかったのではないかと推測しています。また、在宅勤務形態が一気に加速したことで映像を介したリモート会議などのニーズも高まっていますし、自宅にWi-Fiを設置して家族のモバイル通信を当社のネットワークサービスに乗せる家庭も増えています。これらの多様なニーズにお応えできるサービスを展開できていると自負しています。

10GReadyとしたことで、10Gサービスの導入について外部環境の変化にも柔軟な対応がとれると思います。

FTTH中継装置(10G)は離島以外でも使えそうでしょうか

世帯が点在している地域や山間地域などは離島と同様な課題を抱えているので、今回のように有効な選択肢になり得ると思います。地方のCATV局は多かれ少なかれ似たような地域を抱えているのではないでしょうか。サービスを提供する側としてはサービスエリア内のご利用者には同等のサービスをご提供したいと思っていますし、回線品質も保持できるとなりますと、FTTH中継装置(10G)は強い味方になると思います。

パートナーとしての古河電工の印象をお聞かせください

機器の性能・品質はもちろんのこと、CATV業界に根ざしたサービスを長年展開してこられた実績とノウハウをお持ちなので安心感があります。当社のFTTH事業に対しても引き出しが多いといいますか、システムの構築にとどまらず、ローカルな事情を汲んで運用を見据えた提案や設計をしてもらえることもありがたいです。ご担当者のフットワークが軽快なことも一緒に構築を進める上で重要なファクターだと今回改めて感じました。

フレックスフィードFTTH中継装置(MOFN-XREP(10G)

離島・山間地域へのサービス展開を低コストで実現

10G帯域を維持して中継可能

電柱上に設置可能

ローカルな事情に合わせた線路設計をご提案

各記事の内容および記事に登場する方の会社名や肩書きは取材当時のものです。

2023年4月取材

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