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2012_all   9 / 48

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 2012年4月に代表取締役社長に就任しました柴田光 義です。日頃より古河電工グループをご支援いただきあ りがとうございます。たいへん厳しい時期に当社グルー プを率いることになり、重責に身が引き締まる思いです。  日本の産業界を取り巻く事業環境は、この数年激しく 変化しており、当社グループもこれまでの事業のあり方 を根底から考え直さざるを得ない状況に直面していま す。2011年度は、東日本大震災後の景気落ち込みから 一部復調傾向が見られたものの、世界経済の減速や、円 高、ドル安、ユーロ安傾向の定着、さらにタイで発生した 大洪水などの影響によって、依然、厳しい経済環境が続 きました。  そのような逆風の状況下で、当社グループは、ガラス 基板事業からの完全撤退や国内の銅管事業スリム化な どに取り組む一方、リチウムイオン電池用銅箔の設備増 強、MCPET(超微細発泡シート)の用途拡大などの成長 戦略を推進しました。また、米国スーパーパワー社を買収 した結果、第2世代高温超電導に関して線材から機器ま でをトータルに供給できる世界でも唯一の企業グルー プになりました。さらに、アルミニウム事業については、 北米や中国に新たな生産拠点を設けるなどグローバル 展開を強化しました。  しかしながら、厳しい事業環境や米国反トラスト法違反 による罰金での特別損失計上などの影響を受け、2012 年3月期のグループ連結決算は減収減益となり、期末分 の配当を見送らざるを得ませんでした。  この結果を踏まえて、今後は、従来以上に大胆かつ効 果的な構造改革─“真に勝ち抜く改革”を断行していく 所存です。多様な事業を展開する当社グループがめざ すべき方向と重点投資する事業を定め、一方では整理す べき事業を整理していきます。具体的には、光ファイバ事 業におけるグローバルなオペレーション統合、国内光 ケーブル事業の生産拠点再編による収益改善、国内銅 箔などの海外生産シフト加速を検討しています。これら の施策を進めながら、エネルギーや通信といった社会イ ンフラ分野、環境対応強化が求められる次世代自動車分 野などを強化し、グローバルな成長市場の需要をより大 きく取り込める事業体制を構築していく計画です。  原油価格の高騰、化石燃料の大量消費による環境負 荷の増大など、国際社会は今、エネルギー分野において 多くの課題に直面しています。持続可能な社会を実現し ていくためには、今後、世界各国がさらなる省エネル 2011年度を振り返って “真に勝ち抜く改革”の断行 持続可能な社会の実現に向けて 古河電工グループ サステナビリティレポート 2012 8