ビデオレンタルチェーンT社は、店舗数50を超える中堅のフランチャイズ本部。本部の直営店は、県庁所在地を中心に3店舗あり、あとはすべてフランチャイズ店です。T社は利用者へのサービス向上により、売上拡大をはかっておりました。
山本氏---「もっとも実現したかったサービスは、一枚の会員カードで、すべての店舗でビデオの貸し借りを可能にすることでした。また、店舗間でビデオの在庫状況を確認し合い、貸し出しの回転率を上げること、さらに、その情報をインターネットで提供し、ホームページから貸し出し予約をしてもらって、店舗で受け取るような仕組みを作りたかったのです」
T社の情報企画部長の山本氏(仮名)は、同社のサービス向上に向けた挑戦の経緯をそう説明してくれました。
山本氏---「目標は明確だったのですが、自社内の知識と経験だけでは不十分でした。そこで、以前からつきあいのあるS社さんにお願いすることにしたのです」
S社は、システム構築からアプリケーション開発まで、企業のIT化に対して広範囲に対応できる中堅のSIベンダー。以前から、T社の会員管理データベースの開発や、ホームページの構築などで、IT化をサポートしていました。S社でシステム構築のコンサルティングを担当したのは、木村氏(仮名)でした。
木村氏---「山本部長から相談を受けたとき、各店舗をイントラネットで結ぶ必要があることは、すぐにわかりました。会員情報を各店舗で共有したり、在庫の照会や会員の確認なども、すべての店舗がネットワーク化されれば、あとはデータベースと連携するアプリケーションを開発するだけです。そのため、ビジネス用途に耐えられる信頼性の高いルータの導入を検討しました」
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