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日本労働組合総連合会
 
キャプション  組織の紹介
キャプション  意思決定のための情報基幹の必要性
キャプション  クラッカー事件でVPNの必要性を痛感する
キャプション  ブロードバンド化への要求とFITELnet-F40との出会い
キャプション  今後はブロードバンドを見据えた情報共有を目指す
キャプション  システム構成図
 

組織の紹介

日本労働組合総連合会(略称:連合)は、政府、政党、企業などから独立した自主的組織としての主体性を堅持し、自由にして民主的な労働運動の強化・拡大と労働運動の基盤強化を目標に掲げている非営利組織体です。


意思決定のための情報基幹の必要性

「一般の企業は営利活動の情報を基幹系と位置付けていますが、労働団体では労働組合活動のための意思決定情報や合意形成のための情報が基幹系となります。そのため、秘密の保持ではなく、合意形成のための知識情報を共有し、迅速な意思伝達を行うためには、システムの安全性や安定性が不可欠です。その結果、連合イントラネット(@RENGO)には、VPNの構築が必須の条件でした」
連合では、2000年初頭頃から、従来のFAXと郵便による情報配信(文書情報、政策、労働、組織などの提案資料など)から、非公開のWebサイトを利用した情報共有が本格的に行われるようになってきました。
「連合本部が積極的にインターネットを導入したのは今から5年前です。それ以前は、本部で一括購入したインターネットの接続IDとパスワードを構成組織や地方連合に配布して、コンテンツサーバを立ち上げ、そこにアクセスしていました」


クラッカー事件でVPNの必要性を痛感する

「2000年1月に中央官庁で起きたクラッカー事件がきっかけになって、ユーザーIDとパスワードだけで保護している連合の情報システムには、危険性のあることが再認識されました。万が一の被害を想定して調査した結果、復旧に要する時間は一週間、費用が約4000万円はかかる、という試算になったのです。組合の予算で活動している関係から、こうした不測の事態に対して緊急な予算配分は困難です。そこで、被害にあう前に安全なシステムを構築することの重要性が高くなってきました」
連合本部でVPN構想が出てきたのは、2年ほど前になります。その過程の中で、VPNサーバとPCによるVPNクライアントという方式も検討されました。
「VPNに関しては、いろいろな手法を模索しましたが、VPNクライアントをソフトで処理しようとすると、インストールに手間がかかり、OSの違いによる影響やマシンへの負荷が大きくなってしまうために諦めました。最終的には、ハードウェアによるVPNが最適であると判断し、連合本部で120組織分のルータを一括で購入して、全国に配布しました。その時のVPNルータが、MUCHO-EVでした」
連合本部では、フレッツISDNなどを利用したインターネットVPNを構築したことで、意思決定にかかわる重要な情報とか、本部と加盟組織間でのみ共有できる意思決定会議の資料情報などをイントラネット内のコンテンツサーバに登録できるようになりました。



小島 輝信氏
 日本労働組合総連合会
    総合企画局
    情報企画局
    次長
    小島 輝信氏



渡辺 佳哉氏
 (株)アナハイム・テクノロジー
    渡辺 佳哉氏
ブロードバンド化への要求とFITELnet-F40との出会い

「VPN方式の選択から最適なルータの決定に至るまでは、連合の情報システムの構築を支えてくれているシステムインテグレータのアナハイムさんが、全面的に協力してくれました」
フレッツISDNによるVPNの導入が完了したのは2001年の4月でした。しかし、そのときからすでに、ADSLに対応するVPNルータを紹介してほしい、という問い合わせが連合本部には寄せられていたそうです。
「そこで再び、アナハイムさんと相談して、2001年の11月に発売されたブロードバンドルータFITELnet-F40を評価させていただいて、希望するユーザ組織に斡旋する運びとなりました」
連合では、古河電工の主催するセミナーに参加して、速度や機能について充分に評価しています。
「選定の基準は、まず国産の製品で手厚いサポートが受けられることでした。また、全国の構成組織に出向いて設定することは困難なので、本部で設定した条件でそのままMUCHO-EVを交換できることも重要でした。F40にはファイアウォール機能も装備されているので、組織が独自の配信サーバを持っていなければ、充分だと判断しました。他メーカーや他機種では、ここまでうまくいかなかったと思います」


今後はブロードバンドを見据えた情報共有を目指す

現在、連合の情報システムでは、イントラネットの情報発信を活用して、会議の出欠情報などを収集できるようになっています。
「FAXや郵便の頃と比べて、イントラネットにしてからは、コミュニケーションの密度が高くなったように感じます。出席のチェックが無いと、本部の担当者も相手のことを気遣うようになりました。VPNによる信頼性のあるシステムが、人々の使い方を喚起したと思います」
連合では、構成組織全体のブロードバンド化を待って、より多くの情報を発信していく考えです。
「いずれ、ブロードバンドが完全に行き渡ったら、会議の案内や短い資料だけではなく、会議の前段になる起案文書や冊子レベルの資料も、イントラネットからダウンロードできるようにする予定です」
今後はさらに、連合本部で作り上げた仕組みを、より広範囲な構成組織やその所属団体にまで浸透させることが、大きな目標ともなっている。
「この5年間の経験で、連合のシステムはOSのバージョンなどに依存せずに、ウェブブラウザだけで処理できるような、できるだけ運用と管理がシンプルなものが最適であるとわかりました。連合の情報システムにとっては、本部からの資料をいかに迅速にすべての組織や団体にまで届けられるか、それが大きな目標です。そのためには、人の交流も含めて、組織間での横のつながりや情報交換が重要になってきます。その意味でも、インターネットVPNによる安全で信頼性の高いイントラネットは、最適な環境です」


システム構成図
    システム構成図


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