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2004年11月8日

IPsec対応ブロードバンドルーター FITELnet-Fシリーズ

SUMMARY INDEX
光回線が低額化でその利用を拡大する中で、いま企業が求めるのは、高スループットを確保しながら低コストで信頼できるネットワークを構築することでしょう。これにお応えするのが古河電工のIPsec対応アクセスルーター「FITELnet-Fシリーズ」。群を抜くコストパフォーマンスの高さで、シリーズ製品の充実とともに急速に導入実績を伸ばしています。

今回はその「FITELnet-Fシリーズ」の導入事例として、東亜道路工業様のインターネットVPNによる拠点ネットワークの構築をご紹介いたします。
↓ 導入事例ご紹介
↓ 導入の背景
↓ 導入への評価
↓ FITELnet-Fシリーズのご紹介


FITELnet導入事例ご紹介 原点は“低コスト”東亜道路工業のインターネットVPNも成長・拡大。
2000年に最初のネットワーク構築。2004年、基幹業務のオープン化とともに「F1000」導入でネットワークも第2期へ

東亜道路工業株式会社(東京都港区・東証一部上場)は、昭和5年(1930年)創業という、日本の道路建設の歴史とともに歩んできた企業です。現在は建設事業、建設資材の製造・販売事業、環境事業を3つの柱として、日本全国と台湾で事業展開しています。

東亜道路工業では全国約100拠点をつなぐ企業ネットワークを構築、運用しています。形態はインターネットVPNで、ルーターに採用されているのが「FITELnet-F40/F100/F1000」です。2000年に原型が構築され、2004年には基幹業務システムのオープン化とともに、ネットワークも「FITELnet-F1000」導入で強化されました。その導入の経緯と効果について、ネットワーク構築と管理に携わる電算室の東健一郎室長と大熊順一主任にお話を聞きました。
東亜道路工業本社写真
東亜道路工業本社
東  健一郎氏写真 東亜道路工業
管理室電算室長
東 健一郎氏
大熊  順一氏写真 東亜道路工業
管理室電算室 主任
大熊 順一氏

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FITELnetシリーズ導入の背景
1999年ごろから東亜道路工業ではネットワーク構築の気運が高まりました。電算室はまだ十分なネットワーク知識がありませんでしたが、勉強会を開くなどして構築に備え、どのようなネットワークを導入すべきか検討しました。
東氏
「建設業界はネットワーク化が遅れていて、当社も一部でパソコン通信のメールを利用していた程度でした。それでまず勉強会をやりながら、各部の要件を集めてどうするか考えたのです。とにかく安く早くネットワークを構築することが目標でしたが、問題は、社員数は1000人規模でも事業所数が100以上あることでした」
大熊氏
「大きなコストをかけずに、どうしたら100以上の拠点をつなげられるのか。専用線でやるのか?、フレームリレーがいいのか?・・・でもコストが高いし無理か、と考えました」
東氏
「そんな中で大熊君が、インターネットVPNが安そうだと言ってきたのです。それでKDDIさんともう1社にインターネットVPNでの提案を頼みました」
大熊氏
「KDDIさんの最初の提案は、有名海外メーカー製のルーターとのセットだったんですが、コストが高いことと、海外製ではうまく扱えるか心配もあって採用できませんでした。それで再提案してもらったのが、古河電工のISDNルーター『MUCHO』でのインターネットVPNだったのです」
東氏
「これはコスト的にもフィットしましたし、日本製という安心感もあって導入を決定しました。当時はVPNもIP-VPNが主流でしたし、インターネットVPNならこんなに安くネットワークができるのかと驚いたものです。我々にとっては挑戦でしたが、正直言って、失敗してもIP-VPNに乗り換えればいいと考えていました(笑)」
POINT 低コストネットワーク
こうして2000年に、本社側1.5M専用線、MUCHO、VPNクライアントソフトという構成で最初のネットワークが構築され、情報共有を目的に、主にグループウエア(Lotus Notes)を使っての社内通達、掲示板、受注・出荷情報や安全情報などの伝達とメールに利用されていきました。
2002年、FITELnet-F40/フレッツADSLを導入
東氏
「2年経って、ノーツを使いながら、時々1.5Mでは遅いかなと感じるようになりました。でも増速にはコストもかかるので、しばらくはこのまま・・・と考えていたころDSLサービスが出てきて、そこへタイミング良く(笑)、FITELnet-F40が発売されたのです。そこで、Bフレッツが安くなったのを見はからって、センター側をBフレッツの100Mにすることにしました」
POINT ブロードバンド対応
背景には、ノーツの快適性実現を目指したことと、将来的に基幹系システムをネットワークに乗せようということがありました。まだクライアントソフトを使用している拠点もありましたし、PC台数も増えていたため、2002年、ネットワークの刷新が図られました。
大熊氏
「2002年5月から、拠点を徐々にADSL化して、MUCHOからF40に移行していきました。F40とフレッツADSLによるインターネットVPNへのバージョンアップということでした」
東氏
「この時センター側に海外製のVPN装置を入れたのですが、実はこれがかなりの高額でした。翌年、ほぼ同等の機能でコストは4分の1というFITELnet-F1000が発売になったのですが、買い替えるわけにもいかなかった(笑)」
イメージ
2004年4月、F1000導入で新基幹システム稼動
大熊氏
「2003年にF100が発売されたのを機に、秋から拠点側のF40をF100へとリプレースしてネットワークの強化を始めました。これは、基幹業務システムのオープン化へ向けた体制づくりでした」
東氏
「新基幹システムをインターネットVPNの上で稼動させることにしたのです。当初既存のネットワークでもいけると見ていたのですが、テストで会計システムを動かしてみると、データ量が大きくてセンター側回線が1本では心配がありました。それで、リスクを考えてセンター側へF1000を2台導入し、それぞれで事業所を半分ずつ受け持つことで信頼性を高めることにしたのです。F1000なら簡単に事業所との間の冗長性をとることができるためです」
POINT 冗長化安定性確保
こうして現在、東亜道路工業のネットワークは、センター側にFITELnet-F1000 2台を置き、71拠点にFITELnet-F100、19拠点にFITELnet-F40を配置したインターネットVPNとなっています。なお一部のADSLサービスが受けられない拠点ではMUCHOを使っています。
イメージ

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FITELnetシリーズ導入への評価
東亜道路工業は、社員数約1000名という規模の割に事業所数が100以上と多いことが特長です。従って、ネットワーク構築において拠点ごとのコストをいかに抑えるかは大きな課題でした。その点でFITELnet-Fシリーズは、他製品と比べて際立った低価格を実現しながら、機能面では同等あるいは同等以上という高いコストパフォーマンスを発揮し、故障の少ない安定した稼動を提供しています。両氏ともに、このコストと機能には高い評価を下しています。
東氏
「特にF100とF1000の組み合わせは、多くの付加価値を提供しながら冗長性もとりやすいという特色を発揮しています」
取り扱いやすさも大きなポイント
ネットワークを担当する電算室では、MUCHOの利用時から設定は内部でやっています。
大熊氏
「F100へのリプレースの際も設定をやりましたが、Webの設定画面は日本語でやりやすくできています。古河電工さんにも教えてもらってのことですが、よく面倒をみてくれるので助かっています」
サポートの良さにも評価
東氏
「KDDIと古河電工のコンビは非常に頼もしい存在です。こちらの課題に対して、タイミング良くソリューションをもって来てもらえましたし、それがうまくはまりました。きめ細かいサポートもいいですね。安心できます」
■KDDIの担当者から一言
「私どもといたしましても、東亜道路工業様の高度なネットワーク構築のお手伝いができましたことを、とても嬉しく思っております。今後も古河電工様とのコンビネーションで、的確なソリューションをご提案していきたいと思っております。」(KDDI ネットワークソリューション国内営業本部 ネットワークソリューション営業3部3グループ課長補佐 片山 博由氏) 片山  博由氏写真
「例えば、拠点数も多いので、拠点間の内線のIP化で通話コストを固定費化することが考えられます。また現場事務所をSSL-VPNでつなぐこともお考えのようなので、パッケージサービスを提案したいと考えています。」(KDDI ネットワークソリューション国内営業本部 企業営業1部3グループ 主任 長場 俊二氏) 長場  俊二氏写真
FITELnet-Fシリーズとともにさらなるネットワークのレベルアップへ
↓
これまで2年ごとに大きくバージョンアップしてきた東亜道路工業のインターネットVPN。「今はまずLANのギガビット対応が課題」(大熊氏)とのことですが、その後には、ネットワークの大量なCADデータの伝送やIPv6への対応といった課題も視野に入れています。

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■FITELnet-Fシリーズのご紹介



IPsecスループット
登録拠点
(Peer)数
標準価格(税別)
FITELnet-F40
約7Mbps
32
9万8000円
FITELnet-F100
約97Mbps
32
11万円
BRIサポートタイプ
12万5000円
FITELnet-F1000
約133Mbps
500
49万8000円
FITELnet-F3000
約2Gbps
3000



■ブロードバンドの速度を損なわないスループット
「FITELnet-Fシリーズ」では、IPsecに伴う暗号化、復号化に専用チップを用いることにより、IPsec動作時でもブロードバンドの速度を損なわないスループットを実現します。さらに、VoIPなどで多用されるショートパケットのスループットを向上させるために、「FITELnet-F1000」および「F100」に対しチューニングを行い、これによりFTTHにも十分なパフォーマンスを実現しています。 イメージ
■ネットワークの回線コスト削減と信頼性向上
多彩な冗長構成*
サービス停止を想定したイーサネット(FTTH、ADSL、CATV)・ISDN(INS64)を利用する冗長構成や、装置故障時の保守でのダウンタイムをなくす複数台の機器による冗長構成をサポート。
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*構成の条件につきましては、弊社ホームページをご参照ください。
IPsec負荷分散機能
IPsec冗長構成においても、通常時は複数のイーサネットを利用して負荷分散しながら高スループットを実現し、一方の経路に障害があった場合に残りのイーサネットで全体をカバーするといったスケーラビリティと信頼性を実現。
■Webブラウザによる設定・管理機能 F100・F40
「FITELnet-F100」および「F40」では、ネットワーク構築の際に必要なコンフィグレーション(構成定義)を、コマンドによる作成に加えてWebブラウザからの作成でも可能にしています。装置内の情報や通信状態もWebブラウザから把握できます。
■ネットワークの運用性向上 F1000・F100
ファームウエア、コンフィグレーションを装置内に2つ保持でき、設定した時刻での自動変更→通知機能を搭載するなど、多拠点展開においての運用性向上、ランニングコスト削減を実現します。
■CoS、QoSを搭載 データ通信とIP電話を併用可 F3000・F1000・F100
「FITELnet-F3000、F1000、F100」は、優先制御(Cos)機能、および帯域制御(QoS)機能を標準搭載しています。これにより、データの種類に優先度をつけて送信したり、VoIPのパケットなど、ある特定のデータ用に帯域を予約し一定の通信速度を確保することができます。
■IPアドレス不定サービスへの対応
FITELnet-FシリーズはIPsec Aggressive Modeをサポートしており、拠点側はアドレス不定サービスでIPsec通信が実現できます。さらに、ADSL、FTTHの回線リンクダウン→アップが発生しても、データの発生契機、方向にかかわらずIPsec通信を自動的に再開できる機能がサポートされており、拠点側アドレス不定環境での双方向通信を実現します。

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*この記事はキーマンズネットで2004/10/04に掲載されたものです。




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