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2004年12月6日

東西210拠点のネットワーク再構築で「FITELnet」によるインターネットVPNを導入。高速化、安全性、低コストへの要望をすべて実現

SUMMARY INDEX
古河電工のFITELnet-Fシリーズは、企業ネットワーク構築を柔軟にバックアップする、高速性能、安全性、高信頼性を兼ね備えたIPsec対応アクセスルーターです。拠点側、センター側、キャリアグレードの製品ラインナップで、幅広いニーズにお応えでき、特にそのコストパフォーマンスの高さは、同クラスの他社製品と比べても群を抜いています。

今回は、そうした優位性を存分に発揮した導入事例として、株式会社ライフコーポレーション様の全店ネットワーク再構築でのFITELnet-Fシリーズ採用をご紹介いたします。
↓ FITEL導入事例
↓ ネットワーク再構築の始動
↓ テックエンジニアリングの提案
↓ FITELnet採用の理由
↓ 導入の決定・構築
↓ 導入後、そして今後の展望
↓ FITELnet-Fシリーズのご紹介


FITELnet導入事例ご紹介

ライフコーポレーションは、近畿圏と首都圏において食品スーパー、大型スーパー、ショッピングセンター等の189店舗(2004年2月末)を展開するスーパーマーケットチェーンです。

同社では2003年から2004年にかけてネットワークを刷新し、インターネットVPNによる新ネットワークを構築しています。そのコアとなったのが、IPsec対応ブロードバンドルーター「FITELnet-Fシリーズ」でした。

ネットワークの提案、構築から運用管理までを行ったのはテックエンジニアリングです。ライフコーポレーションとテックエンジニアリングでプロジェクトに関わった方々に、ネットワーク構築の経緯をうかがいました。

ライフ ■株式会社ライフコーポレーション様企業概要
創業/昭和31年(1956年) 資本金/100億400万円 本社/大阪および東京本社 従業員数/1万5308人 事業内容/食品を中心としたスーパーマーケットチェーン 店舗数/189店(2004年2月末) 売上高/3716億円(2004年2月期)
経営方針/「よい商品、よいお店、よいサービス」をモットーに、地域に最適の業態や商品などを決め細かく考え、地域の暮らしにフィットしたお店づくりを進めています。体質強化、競争力強化を目指して2002年度より「意識革命」を掲げ、さらに2004年度にはこれを「行動革命」としています。
学園前店

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ネットワーク再構築の始動 ねらいは高速化、コストダウン、そして安全性

ライフコーポレーションの以前のネットワーク構成は、バックボーンにある通信キャリアのIP-VPNサービスを利用し、アクセス回線にはDA64、DR64、INS64を使用するというものでした。しかし導入予定である新システムのデータ量の増大を考えれば、このネットワークでは対応し切れないことは明らか。そこでライフでは、2003年度に入るとネットワーク再構築への動きを本格化しました。その背景を情報システム部のお二人はこう説明します。

山根氏
「POSデータや発注データの店舗運営への一層の活用や、メール活用などによる業務の効率化が求められていました。加えて新たな発注システム導入が決まり、従来のネットワークでは完全に帯域が不足すると予測できましたし、回線コストの低減化も課題でした。ですから再構築のねらいが高速化とコストダウンであることは明確で、さらに絶対に発注システムを停止させないことが条件でした。」
山根氏
(株)ライフコーポレーション
情報システム部 開発担当
課長代理 山根康裕氏

小澤氏
(株)ライフコーポレーション
情報システム部
部長 小澤(こざわ)均氏
小澤氏
「当社の場合、スーパーマーケットチェーンとしては約200店と店舗数も多いのですが、それが近畿圏と首都圏の東西に二極化しているのが特長です。そのため回線構成も複雑になり、コストも高くつくことになります。これをどうクリアするかが新ネットワークの大きな課題でした。」

ネットワーク再構築プロジェクトは、まず首都圏を先行して2003年9月末に稼動、その後2004年に近畿圏を稼動させることとなり、情報システム部では各社に提案を求めました。

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テックエンジニアリングの提案 トップダウンネットワークデザインによるアプローチ

ライフコーポレーションでは、POSシステムはじめクレジット決済、ポイントシステム、マルチメディア端末、発注システム、社内情報システム等、流通小売業に必要不可欠な多様な業務システムがネットワーク上で稼動しています。テックエンジニアリングでは、ライフコーポレーションのネットワークへの依存度の高さとその重要性を熟知していたため、現状と将来の拡張を分析したうえで次のようなネットワーク提案を行ったのです。

吉田氏
「当社は、POSシステムのサポートを行ってきた関係で、業務でシステムがどう使われているかをよく知っていました。従い必然とアプリケーションシステムより考えたトップダウンネットワークデザインを行いました。

構成は大阪本社、東京本社の2拠点を中心としたハブアンドスポーク型とし、各本社と店舗・物流センター間のネットワークは、NTTコミュニケーションズのOCNによるインターネットVPNで構築することとしました。アクセス回線にはBフレッツ100Mbpsを使用し、VPN網がダウンした際のINS64回線への自動切り替えと、復旧時の自動切り戻し機能を備えました。

また、本社間のメイン回線として有線ブロードバンドネットワークのGATE02 光ファイバー100Mbpsサービスを使い、障害時にはOCNのインターネットVPNへの自動切り替え・切り戻しを可能にしました。」
吉田氏
テックエンジニアリング(株)
カスタマーソリューション事業統括部
営業技術グループ長
課長 吉田 進氏

■ライフコーポレーション ネットワーク構成図
ライフコーポレーション ネットワーク構成図

吉田氏
「ライフ様サイドの当初の予定では、従来の64K回線を128Kにすると、全拠点の月額回線料金は約1000万円となると言われておりました。しかも128Kでは帯域も不足です。これに対して、当社の提案では最大100Mで結んで月額は300万円程度、月額約700万円のコストダウンが可能でした。問題はそのコストダウンに隠れる信頼性をUPさせるところに力点をおきました。」


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FITELnet採用の理由 信頼性、コスト、そしてパフォーマンスの高さを評価

このネットワーク提案において、本部および各拠点に設置するルーターとして採用されたのがFITELnet-F100、F1000でした。その理由について吉田氏はこう話します。

吉田氏
「FITELnet-Fシリーズで提案することは最初から決めていました。理由はまず信頼性です。 OCNのダウン時にもう一方のルーターに切り替えISDN接続、復旧後は自動切戻し機能という冗長化機能はFITELnetにしかないものです。

そのほかにもエンタープライズ向けとしての多くの機能を備えていますし、高速処理のパフォーマンスは同クラスではナンバーワンでしょう。しかもコスト競争力があります。ローコスト、広帯域化、信頼性確保のバランスの良い提案ができたのも、FITELnetの貢献が大きかったと考えています。」

そしてもう一つ、国内メーカーであることの安心感があったことを挙げられました。

吉田氏
「迅速な支援体制があることは強みです。海外メーカーの場合、サポートのアクションに時間がかかったり費用がかかるケースが通例です。」


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導入の決定、構築

ライフコーポレーションに寄せられた提案は10社ほどからにのぼりましたが、同社では慎重に各提案を検討した結果、テックエンジニアリングの提案を採用することに決定しました。採用の理由を山根氏はこう語ります。

山根氏
「テックエンジニアリングさんに決めたのは、もちろん提案内容がこちらの要望をすべて満たしてくれたことがありますが、店舗まわりの運用に詳しいことを評価した結果でした。それともう一つ、本部から店舗までネットワークを一元管理できる点です。障害時の原因切り分けも、一元化していれば任せられて心強いですからね。これは発注システムを守るということからも大事なことでした。」

この一元管理は、テックエンジニアリングの東西2つのコンタクトセンターによる、24時間365日のネットワーク監視で実現されています。

吉田氏
「ポイントごとのISDNへの切り替り状況も即座に分かります。この2つのセンターはPOSサポートセンターと同じフロアにあり、何かあれば相互に連携できる点も高く評価されています。」

こうして導入が決定したのが2003年5月の連休直前、9月末の首都圏での稼動に向けて厳しいスケジュールでしたが、テックエンジニアリングはこれを計画通りに完了させました。導入を進めた柳澤氏はこう振り返ります。

柳沢氏
「東京の店舗では既存システムを動かしながらの導入でしたし、1つの店舗からは3拠点にIPsecを張らなければならないので苦労しました。1日に何回か発注業務が集中する時間があるので、その合間をみながらの作業になるのですが、これも難しい点でしたね。」
柳沢氏
テックエンジニアリング(株)
カスタマーソリューション事業統括部
営業技術グループ 柳澤恵一氏

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導入後、そして今後の展望 競争力を高めるIT活用を目指して

首都圏のネットワークと本部間バックボーンの稼動により、ライフコーポレーションのネットワークインフラは強力なものとなりました。近畿圏のネットワーク構築も進んでおり年末までには完了の予定。将来の活用にも構想が広がっています。

山根氏
「稼動後は問題もなく安定して動いています。スピードは全然違いますね。店舗からも、速くなったと喜ぶ声が届いています。新発注システムもうまくいっていますし、POSデータなどもストレスなく幅広く店舗で見られるようになりました。今後の計画はまだ具体的ではありませんが、VoIPによるIP電話、店舗のIPカメラなども考えられます。」

吉田氏
「FITELnet-FシリーズはVoIPにも対応できますし、IP電話やIPカメラは今後ご提案させていただきたいと思っています。」

小澤氏
「当社のIT活用はまだこれからと考えています。顧客に1歩でも2歩でも近いところでニーズをつかみ、スピード対応していくためにもITをもっと考えていく必要があるといえます。ネットワークインフラが強化されたことで、できることも広がりましたから、これからがスタートです。」

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■FITELnet-Fシリーズのご紹介

FITELnet-Fシリーズラインナップ

IPsecスループット
登録拠点
(Peer)数
標準価格(税別)
FITELnet-F40
約7Mbps
32
9万8000円
FITELnet-F100
約97Mbps
32
11万円
BRIサポートタイプ
12万5000円
FITELnet-F1000
約133Mbps
500
49万8000円
FITELnet-F3000
約2Gbps
3000



■ブロードバンドの速度を損なわないスループット
「FITELnet-Fシリーズ」では、IPsecに伴う暗号化、復号化に専用チップを用いることにより、IPsec動作時でもブロードバンドの速度を損なわないスループットを実現します。さらに、VoIPなどで多用されるショートパケットのスループットを向上させるために、「FITELnet-F1000」および「F100」に対しチューニングを行い、これによりFTTHにも十分なパフォーマンスを実現しています。 イメージ
■ネットワークの回線コスト削減と信頼性向上
多彩な冗長構成*
サービス停止を想定したイーサネット(FTTH、ADSL、CATV)・ISDN(INS64)を利用する冗長構成や、装置故障時の保守でのダウンタイムをなくす複数台の機器による冗長構成をサポート。
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*構成の条件につきましては、弊社ホームページをご参照ください。
IPsec負荷分散機能
IPsec冗長構成においても、通常時は複数のイーサネットを利用して負荷分散しながら高スループットを実現し、一方の経路に障害があった場合に残りのイーサネットで全体をカバーするといったスケーラビリティと信頼性を実現。
■Webブラウザによる設定・管理機能 F100・F40
「FITELnet-F100」および「F40」では、ネットワーク構築の際に必要なコンフィグレーション(構成定義)を、コマンドによる作成に加えてWebブラウザからの作成でも可能にしています。装置内の情報や通信状態もWebブラウザから把握できます。
■ネットワークの運用性向上 F1000・F100
ファームウエア、コンフィグレーションを装置内に2つ保持でき、設定した時刻での自動変更→通知機能を搭載するなど、多拠点展開においての運用性向上、ランニングコスト削減を実現します。
■CoS、QoSを搭載 データ通信とIP電話を併用可 F3000・F1000・F100
「FITELnet-F3000、F1000、F100」は、優先制御(CoS)機能、および帯域制御(QoS)機能を標準搭載しています。これにより、データの種類に優先度をつけて送信したり、VoIPのパケットなど、ある特定のデータ用に帯域を予約し一定の通信速度を確保することができます。
■IPアドレス不定サービスへの対応
FITELnet-FシリーズはIPsec Aggressive Modeをサポートしており、拠点側はアドレス不定サービスでIPsec通信が実現できます。さらに、ADSL、FTTHの回線リンクダウン→アップが発生しても、データの発生契機、方向にかかわらずIPsec通信を自動的に再開できる機能がサポートされており、拠点側アドレス不定環境での双方向通信を実現します。

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*この記事はキーマンズネットで2004/10/18に掲載されたものです。




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