「営業担当者がなかなか電話でつかまらないという課題は、個人にPHSを持たせてダイヤルインで呼び出せるようにすることで解決しました」(菅原)
ソルボーネシリーズの中にある接続装置を組み合わせると、VoIP電話としてデジタルコードレス電話やPHSが利用できます。そこで、不在がちで多忙な社員を中心にPHSを渡して、ダイヤルインと組み合わせることによって、内線電話による取次ぎや呼び出しがなくなりました。電話が直接相手につながるので、通話の時間も短縮されてコミュニケーションの速度も上がっています。
「例えば、東京の担当者が大阪などに出張したときも、大阪の営業所までの電話代だけで、日本全国の営業所にかけられるようになります。出張先から埼玉の倉庫に在庫を確認するとか、反対に東京の人間が大阪に出張した担当者に連絡を取るようなときにも、通話料が大幅に安くなります」(菅原)
稼動からまだ一ヶ月未満でも、すでに通話料は3分の2に減っています。今後はさらに効果が上がるものと期待されています。
「VoIPを構築するときに、やはりボトルネックになるのはネットワークの速度と品質です。プライベートなネットワークを構築すると、イーサネットの技術を利用するため、コリジョンによる音声遅延の心配があります。しかし、FITELnet-F40を利用したブロードバンド環境によるVoIPでは、上りと下りの二本のデータ回線を利用するので、人間に感じられるような遅延は少なくなります」(宮崎)
VoIPを構築するときに、何よりも重要なポイントは通信インフラの速度です。ADSLやBフレッツなど、ブロードバンド回線が持つ伝送能力を最大限に引き出せるルーターを利用しているかどうかで、音声の遅延が大きく左右されます。大興電機製作所では、FITELnet-F40を早期から利用してブロードバンド環境における接続性や相性などを試験してきました。同社のVoIPシステムは、すでに国内で500以上の導入実績があります。その中で、ブロードバンド環境を利用した最先端のVoIPでは、FITELnet-F40が数多く利用されています。
「ISDNやフレームリレーなどを利用してVoIPを導入している会社の多くは、遅延や音声品質の劣化を経験しているのではないでしょうか。しかし、ブロードバンドで利用するVoIP環境はとても快適です。いままでは、単に安いからという理由だけで利用されていたVoIPですが、これからはネットワークと組み合わせた新しいコミュニケーションの可能性や利便性なども、より積極的に提案していきたいと考えています」(宮崎)
FITELnet-F40によるブロードバンドのインフラは、VoIPの利用に新しい快適さとビジネスの可能性をもたらすでしょう。
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