古河電工、新アクセスルータFITELnet-Eシリーズを販売開始
〜Eビジネスが要求する高信頼性と高機能=ノンストップネットワークを実現〜
ネットワーク機器大手メーカーである古河電工は、インターネット・イントラネット等に接続するための新型アクセスルータ「FITELnet-E(ファイテルネット・ イー)シリーズ」を4月2日(月)より販売開始する。97年2月よりアクセスルータ「MUCHO(ムーチョ)シリーズ」を販売してきたが、今回新ブランド「FITELnet」を立上げ、シリーズを展開していく。今回発売のEシリーズはその第一弾となる。
FITELnet-Eシリーズは、Eビジネスの推進に必要な高信頼性と高機能、中でもノンストップ・ネットワークを実現する機能を搭載しており、広域拠点ネットワーク向けや、今後大きな成長が期待されているIP-VPN*1)市場向けに大きな需要が見込まれる。 企業において、既にネットワークの存在はビジネスの必須条件となっているが、より競争力を強化するためには、ネットワークが常に稼動していることが不可欠となっている。特に近年、基幹ネットワークのみならず、顧客との接点となる拠点(営業所,チェーン店舗など)を含む広域拠点ネットワークにおいても、トラブル時のネットワークダウンを回避することが要望されている。 こうした中、アクセスルータには、「止まらないネットワーク」=「ノンストップ・ネットワーク」を実現する機能が要求されており、当社は、このノンストップ・ネットワークの実現をソリューションの中心に置いて、今回FITELnet-Eシリーズを開発した。
当社は、光通信製品の総合ブランド「FITEL」のもと、世界的競争力を有する光ファイバ、WDM用部品、光アンプ用励起レーザ、ラマンアンプ、光ファイバ融着機などをラインナップしている。今後ネットワーク製品についてもWDM等、ますます光通信技術と融合していくため、ネットワーク製品のブランドを「FITELnet」として、事業の更なる発展を期する。 FITELnet-Eシリーズは、MUCHOシリーズの機能性・操作性を継承しつつ、更にEビジネスが要求する高信頼性と高機能を強化しており、新ブランドのシリーズ第一弾として相応しいと考えている。今後FITELnetブランドで、VPN対応、ブロードバンド対応などネットワーク製品のラインナップを拡大していく。
FITELnet-Eシリーズの主要な特長は以下の通りである。 (1)3つの冗長性機能によりノンストップ・ネットワークを実現(FITELnet-E30) FITELnet-E30は、バックアップ(ホットスタンバイ)機能*2)、Layer3監視機能*3)、ルータグループ化機能*4)(特許出願中)の3種類の冗長構成(リダンダンシ)機能を搭載している。ルータの2重化、途中経路でのルータ障害時や回線障害時の経路切替、複数台のFITELnet-E30を仮想的に1台とする構成など、多彩な冗長構成によりノンストップネットワークを実現する。 (2)多彩なネットワークに対応 FITELnet-E20は、フレッツISDN、ディジタル専用線に対応。更にFITELnet-E30はフレームリレーにも対応し、ISDNからフレームリレーといった回線の切り替え時にも既存のネットワーク資産を有効に活かすことができる。さらにFITELnet-E30ではシリアルポートにモデムを接続することで、アナログ公衆回線を利用したルーティングや、携帯電話やPHSからの着信を実現できるなど、多彩なネットワーク形態に対応できる。 (3)設定ダイヤルと液晶ディスプレイによる簡易操作(FITELnet-E20、E30) バックライト付き液晶ディスプレイと設定ダイヤルを操作することで、通信状態、料金、発着信履歴、エラーメッセージなどを表示できるので、トラブルシュート時に役立つ。また、装置の初期化、LAN側IPアドレスなどの設定をパソコンなしに行なうことができるなど、設置作業時の操作性の向上を実現している。 古河電工のネットワーク製品は、センターサイト向け集線ルータや、VPN、VOIP対応製品をラインナップしており、これら製品とFITELnet-Eシリーズを組み合わせることで、高品質で拡張性の高いネットワークの構築が可能となる。 なお、今回の新製品は、 https://www.furukawa.co.jp/fitelnet/ で紹介している。
*1)IP-VPN インターネットで標準となっている通信プロトコルIPを利用したベストエフォート型の閉域ネットワークサービス。従来、閉域ネットワークには専用線、フレームリレーを利用するケースが多かったが、IP-VPNサービスを利用することにより、通信費用の削減が図れる。 *2)バックアップ(ホットスタンバイ)機能 ルータの2重化を実現。2台のルータ間にプライオリティを設定し、お互いを監視することで、ルータの障害時に自動で認識し、ルータの切り替え、切り戻しを実現する。 *3)Layer3監視機能 経路とルータの2重化を実現。宛先までの経路をLayer3(ネットワーク層)レベルで監視することで、IP-VPNサービスのようなベストエフォート型ネットワークにおいても途中経路障害を検出できる。バックアップ(ホットスタンバイ)機能と組み合わせることにより途中経路障害時でもルータの切り替え、切り戻しを実現する。(※2)ホットスタンバイ機能では、同一サイトのルータ間を監視するのに留まるが、Layer3監視機能では、途中経路障害を検知できる。) *4)ルータグループ化機能(特許出願中) ルータ装置の拡張性と冗長性を実現。ISDN代表取扱サービスを利用し、複数台のルータを1台の仮想ルータとすることができるため、複数回線の利用が可能となる。リモートサイト数の増加に合わせて、センターサイトのルータを順次増設することができ、初期投資の低減が図れる。また、グループ内のルータが障害の際は、障害の起きていない残りのルータで通信を継続することで、冗長性を確保できる。 |