ip vpn-nat pool

VPN-NAT変換する際の、変換後のIPアドレス範囲を指定します。NAT変換(NAT+ではない)する場合に指定する必要があります。
このコマンドでは、VPN-NATプール名称・変換後のIPアドレス範囲(アドレス/Wildcard Mask)を指定し、ip vpn-nat inside source/destinationコマンドで、使用するVPN-NATプール名を指定します。

VPN-NATと、IPsecインタフェースでのNATの、それぞれ設定に不整合がない場合は、IPsecインタフェースでのNATが有効となり、VPN-NATは無効となります。
※IPsecインタフェースでのNATはV01.11(00)以降サポ−ト
refreshコマンド後に有効になるコマンドです。

IKEv1専用コマンド

設定例 変換後のアドレスとして、192.168.100.0/24を指定する(プール名:vpn-pool1)

Router(config)# crypto isakmp policy 1
Router(config-isakmp)# ip vpn-nat pool vpn-pool1 192.168.100.0 0.0.0.255


コマンド書式

ip vpn-nat pool <VPNプール名> <変換後のアドレス> <Wildcardマスク>


パラメータ

パラメータ 設定内容 設定範囲 省略時の値
VPN-NATプール名 VPN-NATプールの名称を指定します。
ip vpn-nat inside source / destination のコマンドを設定する場合に指定するVPN-NATプール名として使用しますので、わかりやすい名称にしてください。
- 省略不可
変換後のアドレス 変換後のIPアドレスを設定します。
変換後のアドレスを範囲で指定することができます。詳細は範囲指定方法を参照してください。
IPv4アドレス形式 省略不可
Wildcardマスク 変換後のアドレスを範囲指定するために、Wildcardマスクを指定します。詳細は範囲指定方法を参照してください。 IPv4アドレス形式 省略不可
最大エントリ数:2エントリ(isakmp policy毎)装置全体で64エントリ


この設定を行わない場合

VPN-NATが使用できません。


範囲指定方法

ip vpn-nat poolコマンドでIPアドレスを指定する場合、マスク(Wildcardマスク)を使用して1エントリでアドレス範囲を指定することができます。
Wildcardマスクは、サブネットマスクとは書式が異なりますので注意してください。Wildcardマスクとサブネットマスクは、"1"と"0"の判別が逆になります。
例)24bitマスクを、Wildcardマスクで表現する場合と、サブネットマスクで表現する場合の違い
   Wildcardマスクの場合:0.0.0.255
   サブネットマスクの場合:255.255.255.0
例2)ホストを、Wildcardマスクで表現する場合と、サブネットマスクで表現する場合の違い
   Wildcardマスクの場合:0.0.0.0
   サブネットマスクの場合:255.255.255.255


適用順序

NAT変換ルールは以下の順序で適用されます。

1)static変換ルール
2)listによる変換ルール

同じ種類のルール内では、Prefix長が長いルールが優先して適用されます。
同一Prefix長の設定が複数あった場合には、config上で先に登録されたものが優先されます。
なお、configには、以下の順に登録され、同じ種類については入力順に登録されます。

1)static変換ルール(既存のホストアドレス指定)
2)static-subnet変換ルール
3)listによる変換ルール


設定モード

IKEポリシー設定モード

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