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イベントアクション機能について
対象機種 イベントクラス登録数 イベントアクション登録数 イベントマップ登録数 ICMPクラス登録数
FITELnet F60 100 100 100 100
FITELnet-F80 100 100 100 100
FITELnet-F100 100 100 100 100
FITELnet-F140 100 100 100 100
FITELnet F200 100 100 100 100
FITELnet F200Plus 1000 1000 1000 1000
FITELnet-F1000 500 500 500 500
FITELnet F2000 1000 1000 1000 1000
FITELnet F2200 2000 2000 2000 2000

イベントアクション機能とは、

「こんなことがおこったら」「こんな風に動作する」

という単純な機能です。

この単純な機能を使って、様々な動作を実現することができます。

 

例えば。。。。

「ケーブルが抜けちゃってインタフェースがダウンしたら」 

→ 「別の経路で中継しよう!」

このようにイベントアクション機能を使用することで、経路の冗長機能を実現できるわけです。

単純な機能の組み合わせにより、高度な機能を実現できることがおわかりいただけると思います。

 

・ イベントにはどんな種類があるの?

・ アクションにはどんな種類があるの?

・ 設定の流れ

・ 設定詳細

・ イベントアクション機能の設定例

イベントにはどんな種類があるの?

以下のイベントが用意されています。

・ インタフェースの状態が変化したら(UP→DOWN、DOWN→UP)

・ あるホストへの到達性が変化したら(到達していた→到達しなくなった、到達していなかった→到達するようになった)

 

FITELnet-F100, F1000のファームウェアV02.03(00)では、以下のイベントが用意されています。

・ VRRPの状態が変わったら(Master→バックアップ、バックアップ→Master)

 

さらにFITELnet F60/F200では、自律監視機能が用意されています。

自律監視機能についてはこちらをご覧ください。

 

 

イベントの真偽設定(○/×設定)

 

各イベントで○/×の状態を決めることができます。例えば、インタフェースの状態のイベントで、「UPだったら○/DOWNだったら×」とすることも、「DOWNだったら○/UPだったら×」とすることもできます。後ほど説明する、アクション機能は、イベント機能が○だったときのアクションを指定するので、イベントでの○/×設定は重要な設定になります。この○/×設定を誤ると、まったく逆の動作を行ってしまいますので、注意してください。

例えば、「インタフェースがUPだったら、○○のイベントをする」としたいところが、「インタフェースがDOWNだったら、○○のイベントをする」となってしまい、まったく逆の動作になってしまいます。

 

 

複数イベントの取り扱い

 

イベント指定では、複数イベントを指定することができます。この場合、「指定した全てのイベントが発生したとら。。。」とするか、「指定したイベントのいずれかが発生したら。。。」を指定する必要があります。
デフォルトでは、「指定した全てのイベントが発生したら。。。」の動作となります。「指定したイベントのいずれかが発生したら。。。」とする場合は、"event match-any"コマンドの指定が必要になります。

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アクションにはどんな種類があるの?

以下のアクションが用意されています。

 ・ 経路を追加する。

 ・ VRRPの優先度(Priority値)を下げる。

 

さらにFITELnet-F100, F1000のファームウェアV02.03(00)では、以下のアクションが用意されています。

 ・ 電子メールを送信する。

 ・ QoSのポリシーを変える。

 ・ ホストへの到達性監視を中断する

 ・ IPsecの接続を解除し、一時使用不可状態にする。

 

上記以外にもアクションが用意されているものもあります。詳細は各機種のコマンドリファレンスのご参照をお願い致します。

 

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設定の流れ

イベントアクション機能では、以下の流れに従って設定を行っていきます。

 

1.イベントクラスを指定

どのようなイベントを契機とするのかを指定します。イベントは、イベントクラスという形で登録します。1つのイベントクラスには、複数のイベントを登録することができます。
イベントは、「通常経路でセンター側の端末まで到達できなくなったら」とか、「PPPoEインタフェースがDOWNしてしまったら」のように指定します。その際、真偽(○ or ×)をはっきりさせる必要があります。「〜〜〜できる」を真(○)と考えますので、「通常経路でセンター側の端末まで到達できなくなったら」や、「PPPoEインタフェースがDOWNしてしまったら」は、いずれも偽(×)となります。つまり、「各イベントが偽(×)だったら。。。」という扱いになりますので、設定時にオプション"invert"をつける必要があります。
複数イベントを指定する場合は、「指定した全てのイベント」なのか「指定したイベントのいずれか」なのかを考慮する必要があります。「指定したイベントのいずれか」とする場合は、設定時に"event match-any"を指定する必要があります。


2.イベントアクションを指定

アクションを指定します。アクションは、イベントアクションという形で登録し、1つのイベントアクションには、複数のアクションを指定することができます。複数のアクションを指定した場合は、指定した全てのアクション動作を行います。


3.イベントとアクションの結びつけ(イベントマップ)

『この「イベント」が発生したら、この「アクション」を動作する。』のように、イベントとアクションの結び付けを行います。この結び付けを行うことで、イベントアクション機能の動作を行うことができるようになります。

 

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設定詳細

イベントアクション機能を利用するための設定について説明します。

 

・ イベントクラスの登録(必須)

イベントクラスを登録するために、イベントクラス設定モードに移行します。

Router(config)#event-class 1
Router(config-event-class 1)#

ここで指定する数字は、イベントクラスの優先度を表します。イベントクラスを複数指定し、いずれのイベントクラスにも該当するイベントが発生した場合は、ここで指定した数値の小さいイベントクラスが採用されます。

 

・ インタフェース状態変化イベントの指定

インタフェースの状態が変化したことをイベントとして登録する場合は、インタフェース状態変化イベントを指定します。インタフェース状態はUP(○)/DOWN(×)として取り扱います。×→○のイベントを通常のイベントして考えますので、○→×をイベント契機とする場合には、invertオプションを指定します。

Router(config-event-class 1)#check interface status lan 1

このように設定した場合には、「LAN#1インタフェースがDOWN→UPとなったときに。。。」というイベントになります。

Router(config-event-class 1)#check interface status lan 1 invert

このように設定した場合には、「LAN#1インタフェースがUP→DOWNとなったときに。。。」というイベントになります。

 

・ ホスト到達性変化イベント(L3監視イベント)の指定

ICMPエコーを利用してホストへの到達性を監視し、そのホストへの到達性に変化したことをイベントとして登録する場合は、ホスト到達性変化イベント(L3監視イベント)を指定します。L3監視イベントは、到達する(応答がある)場合が○/到達できない(応答がない)場合が×として取り扱います。
×→○のイベントを通常のイベントして考えますので、○→×をイベント契機とする場合には、invertオプションを指定します。
ICMPエコーのポリシー(宛先アドレス、ICMPエコーのデータサイズ、送信間隔等)は、ICMPクラス設定モードで指定します。(後述)

Router(config-event-class 1)#check ip-icmp 1

このように設定した場合は、「ICMPクラス#1で指定したL3監視の応答がない→応答があるとなったときに。。。」というイベントになります。

Router(config-event-class 1)#check ip-icmp 1 invert

このように設定した場合は、「ICMPクラス#1で指定したL3監視の応答がある→応答がないとなったときに。。。」というイベントになります。

 

・ 複数イベント登録の属性

指定しているイベントクラスに、複数のイベントを登録した場合に、「指定した全てのイベント」なのか「指定したイベントのいずれか」なのかの属性を指定します。
この設定を行わない場合は、「指定した全てのイベント」が該当する場合が、このイベントクラスの契機になります。

Router(config-event-class 1)#event match-any

 

・ イベントクラスの説明

指定しているイベントクラスの説明として、文字列を指定することができます。

Router(config-event-class 1)#description Check-Center-Host-Event

 

・ イベント発生をログに出力するかどうかの設定

指定しているイベントクラスに該当するイベントが発生した場合に、slogにログを出力します。(ログ例:Event-class 1: state change to True.)
この設定を行わない場合は、ログの出力を行いません。

 

Router(config-event-class 1)#logging event state-change enable

 

・ ICMPクラスの登録

ICMPエコーを利用したホスト到達性監視(L3監視)を行う場合、ICMPエコーパケットの属性を設定するために、ICMPクラスを登録します。

Router(config)#icmp-class 1
Router(config-icmp-class 1)#

ここで指定する数字は、ICMPクラスの番号となります。この番号は、イベントクラス設定モードの、check ip-icmpコマンドで指定する番号として使用されます。

 

・ 監視アドレスの指定

ホスト到達性監視を行う宛先のIPアドレスを指定します。このICMPエコーに関しては、通常の経路情報を使用せず独自のNextHopを使用する場合には、"nexthop"を指定します。経路監視を行い到達性がなくなったら経路を切り替える設定の場合には、nexthopオプションを指定するのが一般的です。
また、ICMPエコーの送信元アドレスを変更する場合には、"source-interface"オプションを指定します。IPsecのトンネルを通過する監視を行う場合等に指定するケースがあります。

Router(config-icmp-class 1)#address 192.168.100.1 nexthop pppoe 1 source-interface lan 1

この設定を行っている場合には、以下の属性のICMPエコーパケットを送信します。
・ 192.168.100.1宛にホスト到達性監視用のICMPエコーパケットを

  送信します。
・ このパケットは、通常経路情報に従わず、常にPPPoE#1

  インタフェースに出力します。
・ 送信元アドレスとしては、LAN#1のアドレスを使用します。

例えば、通常経路ではPPPoE#1で通信するが、到達性がなくなった場合はBRIインタフェースに切り替えるような冗長構成の場合、監視するためのICMPエコーは、到達性がある/ないに関わらず、PPPoE#1側の経路に送信しておく必要があります。このようなケースで、nexthopオプションを指定します。

 

・ ICMPエコーパケットのデータサイズの指定

ICMPエコーパケットのデータサイズを指定します。
この設定を行っていない場合は、データ部56バイトのICMPエコーパケットとなります。

Router(config-icmp-class 1)#size 200

 

・ ICMPエコーパケット送信数の指定

1回のICMPエコーパケット送信契機に、いくつのICMPエコーパケットを送信するかを指定します。
複数のICMPエコーパケットを送信する設定にしても、ICMPエコーリプライパケットを1つでも受信できた場合は、その後のICMPエコーパケットは送信しません。
この設定を行っていない場合は、1回のICMPエコーパケット送信契機に、2つのICMPエコーパケットを送信します。

Router(config-icmp-class 1)#probe 3

 

・ ICMPエコーパケット送信間隔の指定

ホスト到達性確認を行うためのICMPエコーパケットの送信間隔を指定します。応答がある場合と、応答がなくなった場合(restorationオプション)で、送信間隔を変えることもできます。
冗長構成時に、応答がなくなっている状態での送信間隔を短くすることで、切り戻りを早くすることができます。
この設定を行っていない場合は、応答がある/ないに関わらず、30秒間隔で送信します。

Router(config-icmp-class 1)#interval 60 restoration 30

 

・ ICMPエコーパケットのタイムアウト値

ホスト到達性確認を行うためのICMPエコーパケットの送信タイムアウト時間(秒)の設定を行います。連続送信時に最後の1パケットの送信からtimeout設定時間が経過したらタイムアウトと判断します。
この設定を行っていない場合は、3秒でタイムアウトします。

Router(config-icmp-class 1)#timeout 5

 

・ 障害復旧とみなす回数/障害とみなす回数の指定

障害復旧とみなす成功回数、障害とみなす失敗回数を指定します。trial で指定した回数、連続して応答があった場合は障害復旧とみなします。また、fail で指定した回数、連続して応答がなかった(タイムアウトした)場合は障害とみなします。
この設定を行っていない場合は、3回連続で応答があった場合に障害復旧、2回連続で応答がなかった場合に障害発生とみなします。

Router(config-icmp-class 1)#trial 10 fail 5

 

・ ICMPクラスの説明

指定しているICMPクラスの説明として、文字列を指定することができます。

Router(config-icmp-class 1)#description Check-Center-Host

 

・ ホスト到達性の変化をログに出力するかどうかの設定

指定しているICMPクラスでのホスト監視状態が変化した場合に、slogにログを出力します。(ログ例:icmp-class 1: state change to True)
この設定を行わない場合は、ログの出力を行いません。

Router(config-icmp-class 1)#logging event state-change

 

・ イベントアクションの登録(必須)

イベントアクションを登録するために、イベントアクション設定モードに移行します。

Router(config)#event-action 1
Router(config-event-action 1)#

ここで指定する数字は、イベントアクションの番号となります。この番号は、アクションマップ設定モードで指定する番号として使用されます。

 

・ 経路を追加する

経路を追加するアクションを登録する場合に指定します。冗長機能で、「○○だったら、経路を変更する」というような場合に指定します。

Router(config-event-action 1)#add ip route 192.168.0.0 255.255.255.0 pppoe 2

この設定を行っている場合は、『「192.168.0.0/24へはPPPoE#2」という経路を追加する』という動作になります。

 

・ VRRPの優先度(Priority値)を下げる

VRRPの優先度を下げるアクションを登録する場合に指定します。冗長機能で、VRRPの状態を変化させるような場合に指定します。

Router(config-event-action 1)#vrrp 1 track 1 decrement 20

この設定を行っている場合は、『VRID=1のVRRP優先度(Priority値)を20減算する』という動作になります。

 

・ イベントアクションの説明

指定しているイベントアクションの説明として、文字列を指定することができます。

Router(config-event-action 1)#description Add-IP-Route-192.168.0.0

 

・ イベントアクションの実行をログに出力するかどうかの設定

指定しているイベントアクションを実行した場合に、slogにログを出力します。(ログ例:Event-action 1: state change to Activated)
この設定を行わない場合は、ログの出力を行いません。

Router(config-event-action 1)#logging event state-change enable

 

・ イベントマップの登録(必須)

イベントマップを登録するために、イベントマップ設定モードに移行します。イベントマップ設定モードでは、イベントクラスとイベントアクションの結び付けを行います。

Router(config)#event-map
Router(config-event-map)#

 

・ イベントクラスとイベントアクションの結びつけ(必須)

設定したイベントクラスと、設定したイベントアクションを結び付けます。この設定を行うことにより、イベントアクション機能が成立します。

Router(config-event-map)#event-class 1 event-action 1

 

 

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イベントアクション機能の設定例

tech17_evact2

Router(config)# icmp-class 1
Router(config-icmp-class 1)# address 192.168.100.254 nexthop pppoe 1 source-interface lan 1
Router(config-icmp-class 1)# exit

Router(config)#event-class 1
Router(config-event-class 1)# check ip-icmp 1 invert
Router(config-event-class 1)# exit
Router(config)#

Router(config)# event-action 1
Router(config-event-action 1)# add ip route 192.168.100.0 255.255.255.0 dialer 1
Router(config-event-action 1)# exit

Router(config)#event-map
Router(config-event-map)#event-class 1 event-action 1
Router(config-event-map)#exit
Router(config)#

 

 

【解説】

1:icmp-class 1

  ICMPクラス設定モードに移行します。

2:address 192.168.100.254 ・・・・

  ホスト到達性監視を行う宛先を指定します。経路情報に従わずに、

  通常経路を監視しつづけるために、NexthopをPPPoE#1としてします。

  また、監視用ICMPエコーパケットを使用するために、送信元アドレス

  をLAN#1インタフェースとしています。

3:exit

  ICMPクラス設定モードから、基本設定モードに移行します。

3:event-class 1

  イベントクラス設定モードに移行します。

4:check ip-icmp 1 invert

  ホスト到達性監視をイベントとして登録するために、ICMPクラス

  番号(1)を指定します。

  また、ホスト到達性監視が失敗した場合にアクションを起こし

  たいため、invertオプションを指定します。

5:exit

  イベントクラス設定モードから、基本設定モードに移行します。

6:event-action 1

  イベントアクション設定モードに移行します。

7:add ip route ・・・・

  経路を追加します。ホスト到達性監視が失敗したことを受けて、

  どのように迂回するかの経路情報となります。

8:exit

  イベントアクション設定モードから、基本設定モードに移行します。

9:event-map

  イベントマップ設定モードに移行します。

10:event-class 1 event-action 1

  イベントクラスとイベントアクションを結び付けます。

  この設定により、イベントアクション機能が成立します。

11:exit

  イベントマップ設定モードから、基本設定モードに移行します。

 

 

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