CELRe®

木の持続可能性とプラスチックの利便性のハイブリット材料

自然と共生する樹脂、
プラスチックのあたらしいカタチ
埋め立てない、再利用できる材料を未来に

古河電工の CELRe® 製造プロセス

当社が光ファイバケーブルや電力ケーブルの製造などで培ってきた樹脂混練技術を活かして、パルプと熱可塑性樹脂を二軸押出機で混練、ワンステップでマイクロオーダーのセルロース繊維を樹脂中に高分散させる技術を確立し、強度と耐衝撃性を両立したセルロース繊維強化樹脂CELRe®を開発しました。

従来、セルロース繊維は樹脂への分散が難しく、ナノ化や疎水化のプロセスを経ることから製造コストが高く課題となっていましたが、CELRe®本開発品ではセルロース繊維のナノ化や疎水化を経由せず、熱可塑性樹脂にセルロース繊維を直接分散する独自プロセス(図)により、必要とするエネルギーが少なく、低コストで製造が可能です。

セルロース繊維を51%含有するCELRe® KCPグレードの他、強度と耐衝撃性を両立したCELRe® DFグレードを展開します。

動画で見る「セルロース繊維強化樹脂」

CELRe®の特長

独自技術でセルロースを樹脂中に高分散

二軸押出機に投入したパルプは押出機中で解繊され、樹脂中に分散します。解繊したセルロース繊維のサイズは、約300~700μm(注)であり、古河電工のプロセスはマイクロサイズのセルロース繊維を樹脂中に分散する技術と言えます。

(注) μm:マイクロメートル(ミクロン)、1/1000mm

セルロース繊維20%配合強化LDPE2号ダンベル

従来設備で成形が可能

CELRe®は、従来のプラスチック成形機・金型での成形が可能です。射出成形、押出成形など、従来のプラスチック材料と同様に成形できます。

当社設備や協力会社での成形テストを実施

従来の熱可塑性樹脂と同様に成形加工できることを確認しています。

独特の風合い(プレス成形)・着色が可能

CELRe®セルロース繊維が高濃度になると、セルロース特有の色合いが成形体に現れてきます。
  • CELRe®プレス成形品

  • CELRe®
    着色テストサンプル(ランプシェード)プレス成形品

製品のCO2削減に貢献

製品のカーボンフットプリント(Carbon Footprint, Cradle–To-Gate)

原材料および製品の製造に関わるCO2排出量を計算しました(材料輸送時のCO2発生量は含みません)。

ナフサを原料とする樹脂材料からバイオマス材のセルロース繊維に置き換えることで、石油資源の節約とCO2排出量削減に貢献します。

(注) セルロースは41%が炭素であり、1.0kgあたり1.5kgのCO2を貯蔵しているとみなせるため、セルロース繊維製造時のCO2排出量1.1kgから上記1.5kgを差し引いた値を用いて計算しています。
CO2排出量の数値は、以下の文献の値を使用しています。
S.V. Joshi et al., Composites: Part A, Vol.35 (2004), p.371-376
Boland et al., Journal of Industrial Ecology, Vol.20, Issue1, February 2016, p.179-189
S. Nakayama et al., 紙パ技協誌, Vol.56 (2002), No.7, p.1035-1046

マテリアルリサイクルが可能

CELRe®は粉砕時のセルロース繊維の切断による材料の強度低下が起こりにくいため、マテリアルリサイクルが可能な低環境負荷材料です。お客様の製品の資源投入量・消費量を低減し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献します。

CELRe®
リサイクル性の確認試験(繊維濃度51%)

成形工程のクローズドループリサイクルが可能

お客様でのCELRe®成形時に発生する端材(例えばスプールランナー)を粉砕し製品に戻しても強度低下がほとんどなくクローズドループリサイクルによりCO2排出量削減、材料コストの削減に貢献します。

CELRe®
マテリアルリサイクル性の確認結果(繊維濃度51%)

強度と耐衝撃性を両立したDFグレード

CELRe®は、セルロース繊維を51%含有するCELRe® KCPグレードの他、強度と耐衝撃性を両立したCELRe® DFグレードを展開します。耐衝撃性を改善したDFグレードは、従来のセルロース繊維強化樹脂が適用できなかった製品への適用が期待されます。

バイオマスマーク50を取得

CELRe® KCPグレードは、一般社団法人日本有機資源協会認定の「バイオマスマーク50」を取得済みです。

お問い合わせはこちらからお願いします。