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バージョン2系のファームウェアについて



2005年04月12日 初版
2005年06月17日 V02.01の内容を反映
2005年08月31日 V02.02の内容を反映
2005年11月07日 機能比較表を更新
2006年10月02日 機能比較表を更新

この度、FITELnet-F100、F1000のファームウェアがメジャーバージョンアップし、バージョン2系となりました。 バージョン2系のファームウェアには、以下のような特長があります。
  • VLAN機能のサポート
    PortVLANとTagVLAN(802.1Q)をサポートいたします。PortVLANにより、LAN1インターフェースの任意のポートを、それぞれ別のセグメントに分離して利用することができます。また、TagVLANにより、EWAN1、EWAN2、LAN1の各ポートで複数のVLANを利用可能です。
    さらに、LAN1インターフェースにおいては、802.1pで規定されるPriority Bitに基づく優先制御機能を、各ポート間で提供します。

  • QoS機能の拡張
    クラシファイアを大幅に強化します。従来の、アドレス、プロトコル、ポート番号による識別に加え、受信インターフェース、TOSフィールド(もしくはDSフィールド)などによる識別も可能となります。さらに、受信時の識別動作にも対応いたします。
    識別したトラフィックに対して様々なアクションを適用することができます。従来から用意されているPRIQ/CBQによる優先/帯域制御に加え、L2(802.1p)マーキングや、L3(TOSもしくはDS)マーキングに対応します。さらに、ポリシールーティングにも対応します。

  • ポリシールーティングの採用
    QoS機能のクラシファイアを活用し、識別したトラフィックに対するアクションとして、パケットの中継先(nexthop)を指定することで、ポリシールーティングに対応いたします。

  • フルIPsecインターフェース対応(F100はV02.01でサポート)
    peer数と同じ数のIPsec IFをサポートします。IPsec IFを使い、経路情報によって、どの通信を暗号化の対象にするかを決めることにより、直感的でわかりやすい設定とすることができます。

  • 新しい冗長機能の採用(V02.01でサポート)
    装置冗長については、ルータグループ化機能に代えて、VRRP機能をサポートいたします。
    また、従来のL3監視冗長機能に代えて、経路監視機能とイベントアクション機能を新規にサポートします。
    経路監視機能はICMPのECHOパケットを使って、目的とする宛先までの経路を監視します。経路監視機能は複数の宛先を監視して、and や or 条件を設定することもできます。
    イベントアクション機能は経路監視の結果や、インターフェースの状態を監視し、それらの状態変化に応じて、経路情報を追加したり、VRRPの動作条件を変更する、といった動作を行うことができるようになります。イベントアクション機能においては、複数の状態変化に対して and や or 条件を設定することが可能で、さらには、その結果として、複数の動作を行うこともできます。
    これらのF100/F1000で共通に提供される機能を組み合わせることで、より柔軟かつ高度な冗長構成が可能となります。

今後の機能強化は、バージョン2系のファームウェアを中心に進めていく計画です。
なお、これらの機能強化に伴い、上記の機能に関連する部分を中心として、サポートされなくなる機能や、設定方法が変更となる機能がありますので、バージョン1系とバージョン2系とでは、コンフィグが非互換となる部分が生じます。従って、従来のバージョン1系のファームウェアで運用している環境に、バージョン2系を適用する場合には、コンフィグの変更内容を確認し、動作検証等を行った上で、実施するようにお願いいたします。
具体的には、バージョン1系で次の機能を使っている場合には、コンフィグの見直しが必要となります。
  • L3監視機能(F100のみ)
  • ルータグループ化機能(F100のみ)
  • QoS機能
  • マルチルーティング機能(F100のみ)
簡単な見分け方としては、バージョン2系のコマンドラインで、バージョン1系のコンフィグを流し込んだ場合に、エラーがでなければ、そのコンフィグはバージョン2系でも動作すると判断できます(エラーが出ない場合でも、動作確認は行ってください)。

下表にバージョン1系と2系の機能比較を示します(併せてFITELnet-F80の機能も示しますが、F80はF100/F1000のバージョン2系の機能がベースになっております)。



バージョン1系と2系の機能比較表

◎:新規サポート・機能拡張、○:サポート
−:未サポート、×:廃止
項 目
F80
F100
F1000
  Ver1系 Ver2系 Ver1系 Ver2系
冗長機能 L3監視機能 ×
経路監視機能 *1 *1
イベントアクション機能 *1 *1
ルータグループ化機能 ×
VRRP機能 *1
 VRRP設定可能VRID数 2 32 *9 2 32 *9
 VRRP手動操作 *9 *9
IPsec機能 対地登録(peer)数 32 32 100 *3 500 500
トンネル(selector)数 64 64 128 *3 2000 2000
IPsecインターフェース数 32 4 100 *3 500
スループット(Mbps) >90 >90 >110 *4 >130 >160 *2
IPv4/IPv6のIPsec *5 *9 *9
VLAN機能 PortVLAN
TagVLAN(802.1Q)
サポートVLAN数 *6 16 16 16
QoS機能 PRIQ/CBQ
L2(802.1p)QoS
L2(802.1p)マーキング
L3マーキング
PPPoE機能 セッション数 5 5 24 *3 5 24 *3
ルーティング機能 テーブル数
(スタティック/全体)
128/300 128/300 256/512
*3
1024/2048 1024/2048
OSPF
マルチルーティング ×
ポリシールーティング
Web機能 設定 ×
操作 *3
情報表示 *3
その他 UPnP機能
NAT-outside機能 *3 *3
ARPスタティック機能 *7 *7
NTPサーバ機能 *8 *8
ダイナミックDNS機能 *9 *9

*1:V02.01でサポート
*2:V02.01でのチューニング結果(双方向の合計値となります)
*3:V02.02で拡張およびサポート
*4:V02.02でのチューニング結果(双方向の合計値となります)
*5:IPv6のIPsecトンネルにIPv4のパケットを暗号化して通す機能
*6:PortVLANとTagVLANの合計値となります
*7:V02.04でサポート
*8:V02.05でサポート
*9:V02.06で拡張およびサポート




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