HPCF型光ファイバ「HCS®」

ファイバ・ケーブル事業部門

「HCS®」(Hard Clad Silica)はOFS社で製造しているHPCF型大口径光ファイバーです。コアは高純度石英、クラッドはOFS社独自の材料技術によって開発された硬質ポリマーで構成されており、一般にはHPCFやPCS等と呼ばれています。OFS社では30年以上このポリマークラッドを有するHPCFタイプの大口径光ファイバ「HCS®」を製造し、米国、欧州をはじめとして全世界に広く提供しています。

HCS

特徴

コア径125~1500mmの幅広い品揃え。光ケーブル・光コード製品も取り揃えています。

・30年以上の製造実績・高い信頼性を有するHPCFタイプの大口径光ファイバ
・広い使用温度範囲(-65~125℃)、高い機械・環境信頼性
・シンプルな構造で、他構造の同コア径光ファイバに比べ安価
・施工現場で簡単にコネクタが取付け可能・・・SC、LC、ST、F07コネクタなど
・カスタム設計可能:コアサイズや被覆材料の変更・・・ポリアミド、PFA、EFPなど
・標準NAの0.37に加え、0.43 や 0.47の高NA品も製造可能

主な用途

・データ伝送・・・コア径が大きく光受発光素子とのカップリングが容易
・医療用機器・・・米国UPS Class VI 及び ISO10993に適合(生体適合性)
・レーザ伝送
・センサー・計測器

仕様

1.~可視光領域用(High-OHタイプ)
2.可視光~近赤外領域(Low-OHタイプ)
3.高NAタイプ

(1) HCS型光ファイバ High-OHタイプ(~可視光VIS領域用)

HCS型光ファイバ High-OHタイプ

(2)HCS型光ファイバ Low-OHタイプ(可視光VIS~近赤外NIR領域用)

HCS型光ファイバ Low-OHタイプ01
HCS型光ファイバ Low-OHタイプ02

(3)HCS型光ファイバ Low-OH、高NAタイプ(可視光~近赤外領域用)

HCS型光ファイバ Low-OH、高NAタイプ

HCSは米国におけるofsの登録商標です。

光損失について

図1 波長-光損失特性(CF01493-10)

波長-光損失特性
 Low-OHタイプのポリマークラッドファイバ(CF01493-10)の波長-光損失特性を(図1)に示します。数十m以上の条長で使用する場合は、光損失の低い650nmや850nmの光源を用います。数mの条長の場合は、可視光領域から近赤外領域までの広い範囲で使用することが可能です。

NAとは

NAはNumerical Apertureの略で、開口数ともいいます。光ファイバに入射された光がコア内で全反射して伝搬できる最大入射角をθMAXとすると、NAは次式で表すことが出来ます。

NA = sinθMAX

また光ファイバのコア・クラッドの比屈折率差をΔ、コアの屈折率をncoreとし、次式で表すことも出来ます。

NA = ncore√(2Δ)

比屈折率差が大きいとNAが大きく、NAが大きいと光ファイバに入射できる光の角度が大きくなる、つまり光ファイバの集光能力が大きく光源との結合に優れているといえます。更にNAが大きい光ファイバは曲げられた時の光損失(曲げ損失)が小さいと言う利点も有しています。

コアとクラッドが石英で出来ている一般的なファイバでは比屈折率差を大きく変えることは難しく、Δ= 0.3~1.5%(NA=0.12~0.275)の範囲のものが多く使われています。一方、クラッドがポリマーで出来ているポリマークラッドファイバでは、比較的容易にクラッドの屈折率を変化させる事が出来、比屈折率差をΔ=3~5%(NA= 0.37~0.47)と大きくとることが出来ます。

NAについて

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