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TCP実装のICMPエラーメッセージの処理に関する脆弱性の問題について


2005年4月19日 初版
2005年5月31日 FITELnet-F40の対応情報を追加
2005年6月17日 FITELnet-F100/F1000(Ver2系)の対応情報を追加
2005年6月30日 FITELnet-F100/F1000(Ver1系)の対応情報を追加
2006年1月17日 FITELnet-E20/E30の対応情報を追加
2006年5月19日 FITELnet-F120の対応情報を追加
2007年2月15日 NISCC と IETF のリンクを修正
2008年5月14日 NISCC のリンクを修正

○概要

TCP/IPの実装において、ICMPメッセージの処理に関する脆弱性の問題が確認されております。これはICMPメッセージを悪用することにより、TCPのコネクションをリセットしたり、スループットの低下を引き起こしたりできるというもので、以下のような問題が指摘されております。
  1. ICMPエラーメッセージ(IPv4:type=3 code=2、3、4 IPv6:type=1 code=1、4)によるTCPコネクションの切断

  2. PMTUD(Path MTU Discovery ICMPv4:type=3 code=4、ICMPv6:type=2 code=0のメッセージを利用)を悪用したTCPコネクションの速度低下

  3. ICMP Source Quenchメッセージ(IPv4:type=4 code=0、IPv6は該当するメッセージなし)によるTCPコネクションの速度低下

・参考情報

○当社製品に対する影響

当社製品に対する影響は次の通りです。
概要で示した1の問題をHard Error、2の問題をPMTUD、3の問題をSource Quenchとしています。


[IPv4]
−:影響なし、×:影響あり
製品名 Hard Error PMTUD Source Quench
FITELnet-F1000 ×
FITELnet-F120 ×
FITELnet-F100 ×
FITELnet-F40 × × ×
FITELnet-E30 × × ×
FITELnet-E20 × ×
MUCHOシリーズ × × ×



[IPv6]
−:影響なし、×:影響あり
製品名 Hard Error PMTUD
FITELnet-F1000 ×
FITELnet-F120 ×
FITELnet-F100 ×



○回避方法

該当パケットをフィルタリングすることにより、本脆弱性を回避することができます。
FITELnet-F100/F1000の場合、ICMPのtype、codeまで指定することができますが、FITELnet-F40、E20/E30、MUCHOシリーズについては、ICMPパケット全体をフィルタリングすることになります。


・FITELnet-F100/F120/F1000の例

次のように設定することで、PPPoE1インターフェースに対するICMPv4のSource Quenchメッセージをフィルタリングすることができます。

access-list 100 deny icmp any any source-quench



interface pppoe 1

 ip access-group 100 in interface

また、次のように設定することで、EWAN1インターフェースに対するICMPv6のPacket Too Bigメッセージをフィルタリングすることができます(PMTUD問題対策)。

access-list 3500 deny icmpv6 any 2002:0901::1/64 packet-too-big



interface ewan 1

 ipv6 address 2002:0901::1/64

 ipv6 access-group 3500 in



・FITELnet-F40、E20/E30、MUCHOシリーズの例

次のように設定することで、全てのICMPパケットをフィルタリングすることができます。

ipfiltering -d add dst=0.0.0.0,0.0.0.0 src=0.0.0.0,0.0.0.0 prot=icmp 




○対策ファームウェア

各製品について、本脆弱性に対応したファームウェアを現在準備中です。
提供可能となりました製品につきましては、本ホームページにて随時お知らせいたします。

・FITELnet-F40 :V03.14のファームウェアにて対策しました(2005/05/31)。
・FITELnet-F100 :V02.01(00)のファームウェアにて対策しました(2005/06/17)。
・FITELnet-F1000 :V02.01(00)のファームウェアにて対策しました(2005/06/17)。
・FITELnet-F100 :V01.21(00)のファームウェアにて対策しました(2005/06/30)。
・FITELnet-F1000 :V01.12(00)のファームウェアにて対策しました(2005/06/30)。
・FITELnet-F120 :V02.01(00)のファームウェアにて対策しました(2005/11/24)。
・FITELnet-E30 :V02.08のファームウェアにて対策しました(2006/01/17)。
・FITELnet-E20 :V01.16のファームウェアにて対策しました(2006/01/17)。




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