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古河電工時報 第108号

析出型銅合金の焼鈍過程における組織変化並びに強度変化計算モデル

藤原英道

概要

析出型銅合金の焼鈍過程における組織変化並びに強度変化を予測計算するモデルを作製し,Cu-Cr-Sn系合金であるEFTEC®64にて行った実験結果とモデル計算結果との対応について解析した。組織予測モデル式では古典的再結晶並びに析出速度モデル計算式を組み合わせることによって,析出相とマトリックスの再結晶現象が競合する現象を考慮した解析が可能となった。また,強度計算は,固体力学的モデルに基づき組織モデル計算結果から得られる各種強化メカニズムによる寄与を計算し,複合則で材料強度を求めるモデルとした。得られた組織並びに強度計算結果は,全体的には実験結果と対応が見られたが,再結晶分率変化において一部,不一致が見られた。これは,析出相とマトリックス再結晶界面の相互作用モデルを単純化しすぎたことに起因していると考えられたため,界面構造変化を考慮した考え方についてまとめた。


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