2011年3月4日
今後導入が進む100Gbps 等の超高速光伝送においては、光信号を増幅する際、Er ドープ光ファイバアンプ(EDFA)に組み合わせて、雑音特性に優れるラマンアンプの需要拡大が見込まれます。
そこで当社はこのたび、容易なシステム導入を可能とする、自動利得制御(Automatic Gain Control:AGC)機能を搭載したラマンアンプをHPU42000 シリーズとして開発し、サンプル出荷を開始しました。本年8月に製品化予定です。
開発の背景

HPU42000シリーズ
当社は、ラマンアンプの基本特許(米国特許US6654162号など、日本、米国に多数の登録特許)を有しております。キーデバイスである1480nm 帯励起レーザでは世界で6~7割のトップシェアを誇り、市場のリーダーとして製品を市場に送り出してきました。
今後導入が進む100Gbps 等の超高速光伝送では、光信号対雑音比(OSNR)の改善や光伝送路および光部品の損失補償のため、従来のEDFA に組み合わせて、雑音特性に優れるラマンアンプの需要拡大が見込まれます。
こうした用途に向け、当社は昨年3月、ラマンアンプとEDFA を一体化したラマンEDFA ErFA40000 シリーズを製品化しました。
これまで、ラマンアンプの利得の制御は、利得媒体が伝送路であることから伝送システム全体で行う必要あるため、複雑で多くの知識とノウハウが必要でした。
開発品の特徴
そこでこの度、当社はAGC 機能を搭載したラマンアンプをHPU42000 シリーズとして開発し、サンプル出荷を開始しました。本年8月に製品化予定です。ラマンアンプ自体が自動的に利得を制御することで、ラマンアンプの使い勝手が飛躍的に向上し、システム導入が容易となります。
主な仕様を以下に示します。
なお、今後、AGC 機能を搭載したラマンEDFAも開発予定です。
| Parameter | Unit | Specification | Notes | |||
| Min | Typ | Max | ||||
| 信号波長域 | nm | 1528.8 | 1564.2 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 励起LD数 | 台 | 2 | ||||
| トータル励起パワー | mW | 660 | @励起出力ポート | |||
| 入力パワー | dBm | -30 | 0 | |||
| 利得(※) | G.652 | dB | 10.5 | On/Off利得 | ||
| LEAF | dB | 12.0 | ||||
| TWRS | dB | 17.0 | ||||
| 利得平坦度 | dB | 1.0 | GFF搭載時 | |||
| NF(※) | dB | -1.0 | 等価NF | |||
| 電源電圧 | VDC | 4.75 | 5.25 | |||
| 消費電力 | W | 38 | ||||
| 制御方式 | AGCまたはAPC | |||||
| ソフトウェアインターフェース | IEC61291-6-1 準拠 | RS232 | ||||
| 各種アラーム、レーザSafety機能 | ||||||
| 寸法 | mm | 212×130×20 | ||||
(※)伝送ファイバ長:100km、ファイバロス:0.2dB/km の場合