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ニュースリリース

広帯域50Tbps を実現する光インターコネクト技術を開発
~次世代サーバの実現に向けて、サーバ内データ通信用に活用~

2011年11月9日

株式会社富士通研究所(以下、富士通研究所)(注1)と古河電気工業株式会社(以下、古河電気工業)(注2)は、次世代 の高性能サーバを実現するために必要となる、サーバ内での高速・広帯域なデータ通信用の光インターコネクト技術を 共同開発しました。

次世代の高性能サーバを実現するためには、現在使われている銅配線を用いた電気通信では高速・広帯域化に限 界があり、光ファイバー配線を用いた光通信では実装サイズの点で課題がありました。今回、光ファイバー配線の高密 度化により、従来の銅配線に比べ10倍の帯域を持つ毎秒50テラビット(以下、Tbps)でサーバ内のデータ通信が可能とな る光インターコネクト技術を実現しました。

本技術により、広帯域な高性能サーバが実現可能となり、大量のセンサーデータのリアルタイム分析による交通渋滞 や電力需要の予測など、さまざまなサービスの提供が期待されます。

開発の背景

近年、CPUの高性能化にともない、サーバのデータ処理能力が著しく向上しています。さらに、1つのCPUに多数のプロセスを集約させる仮想化技術も進展しており、CPU間でやりとりするデータの量や、必要となるメモリの容量も増大しています。これにともない今後は、データ処理時の入出力は数Tbpsの信号帯域が必要になり、それらの信号を複数接続するインターコネクトでは合計で数十Tbpsの転送速度が要求されています。

課題

銅配線を用いた電気通信による従来のインターコネクトでは、波形劣化や信号干渉などの問題により、今後10Gbpsから25Gbpsへと高速化していく中で配線数を増やしていくことは困難です。一方、光ファイバーは、高速・大容量・長い伝送距離という優れた特徴を持つため、すでに長距離通信や加入者網などの領域で使われており、最近ではサーバでの伝送にも使われ始めていますが、サーバ内の狭い領域に多くの本数の光ファイバーを収納できず大容量化がむずかしいという課題がありました。

開発した技術

富士通研究所と古河電気工業は、両社の技術を活かし、サーバ内で利用できる広帯域な光インターコネクト技術を開発しました(図1)。今回、細径・高屈曲の光ファイバーと、多レーン化により高密度化した光コネクターを採用し、配線を高密度化したことによって、配線容量を従来の500本から2,000本に増大させました。

本技術を用い、光ファイバーによる配線を高密度化した光ミッドプレーン(注3)を試作しました(図2)。この光ミッドプレーンを用いて伝送特性の評価をおこない、1本あたり25Gbpsの光伝送(図3)と2,000本収納により、合計50Tbpsの性能が出ることを検証しました。

光ミッドプレーンとサーバ形態
光ミッドプレーン構成と伝送波形

効果

本技術により、2,000本の光ファイバーをコンパクトに収納し、従来の銅配線に比べて10倍の50Tbpsの帯域を持つサーバ内光インターコネクトの実現が可能となります。これにより、次世代サーバ内での信号接続を高速化することができます。

今後

数年後の実用化を目指し、開発した要素技術の製品への展開やさまざまな用途への適用を進めていきます。

注釈

(注1)株式会社富士通研究所:
代表取締役社長 富田達夫、本社 神奈川県川崎市。本文に戻る

(注2)古河電気工業株式会社:
代表取締役社長 吉田政雄、本社 東京都千代田区。本文に戻る

(注3)光ミッドプレーン:
複数のボードを用いる装置において、ボード間の配線をおこなうための基板。本文に戻る

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