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ニュースリリース

神奈川県環境農政局新エネルギー・温暖化対策部蓄電推進課より公告された
「スマートエネルギーシステム導入推進実証調査業務委託」を古河電工が受注
~業界初、商用交流ラインと接続した状態で電気自動車からの放電が可能なシステムを構築~

2012年7月26日

当社は、神奈川県環境農政局新エネルギー・温暖化対策部蓄電推進課より公告された「スマートエネルギーシステム導入推進実証調査業務委託」を受注しました。EV(電気自動車)及び定置型の蓄電池を用いて日中の電力ピークを抑える蓄電システムで、2012年8月1日から2013年3月末まで、神奈川県海老名市にある産業技術センターにて実証実験を行います。

背景

東日本大震災以降、電力不足からピーク電力の抑制が注目されています。ピーク電力を抑制する方法として、ピークカット(ピーク時の電力消費を抑えること)とピークシフト(蓄電池等を使用して夜間電力を蓄電し、ピーク時に放電する方法)があります。ピークカットの方法としては、デマンドコントロール(使用者側の消費電力を抑制する方法)と太陽光発電の様な発電機器を利用して見かけ上の消費電力を抑える方法とがあります。

この中で、電力の系統に影響を与えない点と消費者に不便な思いをさせない点から、ピークシフトが注目されています。従来は蓄電池等の費用の面から浸透していませんでしたが、国や自治体からの補助金が後押しになり、かつ蓄電池の低価格化も相まって、徐々に市場に浸透しようとしています。

製品(システム)の内容

スマートエネルギーシステムは、夏場のピーク電力を抑制しようという世の中の動きに同調すると共に、契約電力の低減及び安い夜間電力を使用することによる使用電力料金の低減を目的(160kWの15%カット)としています。

本システムを図1 に示します。PCS(パワー・コンディショニング・システム:(注1)、Li(リチウム)蓄電池、EV-PCS(注2)、見える化システム(消費電力をモニターして電力量をグラフ化し、コストを算出して表示する)及びEMS(エネルギー・マネジメント・システム:(注3)から構成されています。

従来、電気自動車を蓄電池と見立てて放電する時は、系統(商用交流ライン)から切り離していましたが、今回は系統と接続した状態で放電し、かつ複数の蓄電池をコントロールしており、本業界初の実証実験となります。

当社は、本システムの全体設計、複数のPCSをコントロールする通信プロトコル、消費電力や放電量を可視化する見える化ソフトウェアの開発、及び消費電力量に応じて複数のPCSから放電させるEMSソフトウェアの開発を行いました。

本製品は更に規模の大きなシステムも提案可能であり、本事業において2013年度に3億円の売り上げを見込んでいます。

スマートエネルギーシステムの構成図

図1:スマートエネルギーシステムの構成図

製品(システム)の特長

  • PCS 出力: 10kW (Li 蓄電池と一体化)
  • Li 蓄電池容量 : 12.5kWh
  • EV-PCS 出力 : 10kW (但し、LEAFの出力6kWに制限)
  • 見える化システム : 商用ラインでの消費電力量、PV(太陽光発電)発電量、蓄電池放電量をモニター し、グラフ化します。
  • EMS : 消費電力がある一定ラインを超えないように、PCS及びEV-PCSをコントロールします。
  • 本システムは実験後も海老名産業技術センターに設置され、中小企業対象のデモシステムとして展示 されます。

(注1)PCS : パワー・コンディショニング・システムの略。直流を交流または交流を直流に変換する装置のことで、PV(太陽光発電)や蓄電池で入出力される直流と商用交流を接続します。 本文に戻る

(注2)EV-PCS : 電気自動車への充放電を行うPCSのことです。本文に戻る

(注3)EMS : エネルギー・マネジメント・システムの略。ピーク電力がある値を超えないように、複数の蓄電池をコントロールしてピークシフトを実現させるシステムのことです。本文に戻る

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