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ニュースリリース

軽量性と高剛性を両立したリサイクルPETの発泡成形体を開発
~PET再生材の使用用途が大きく拡がり、環境負荷低減に貢献~

2012年3月28日

当社は環境負荷低減と軽量化を目的として、リサイクルPETフレーク(注1)を原料とした発泡成形体を開発しました。この発泡成形技術を用いることで、既存のPP樹脂の成形品よりも軽く、かつ硬くすることが可能です。現在、プラスチック容器や家電製品等に幅広く使用されているPP樹脂成形品の代替として、製品化していく予定です。

開発の背景

PETボトルの年間販売量は595千トン、回収量としては429千トン(2010年)となっています。しかしながら、その使用用途は再生材として繊維などにリサイクルされている一方で、まだまだ限定されているのが現状です。当社はこのたび、PETボトルを粉砕したリサイクルPETフレークを原料として、2倍まで発泡させる発泡成形体を開発しました。

製品の特長

リサイクルPETフレークを使用した発泡成形体は軽量性と高剛性を実現しており、3次元形状に対応した精度のある成形体を作ることも可能です。また、発泡には化学発泡剤を使用していないので、有害なガスや化学発泡残渣が残ることがなく、環境特性にも優れています。発泡倍率の変更や強化材の配合により目的に合わせた剛性の調整も可能です。

発泡倍率と重量比率

発泡倍率と重量比率
(横軸上段 樹脂種 下段 発泡倍率)
リサイクルPET発泡成形品の断面写真

リサイクルPET発泡成形品の断面写真

例えば、従来のPP樹脂製であった成形品をリサイクルPETの2倍発泡品に置き換えることで約30%の軽量化が可能となります。この場合でも剛性はPP樹脂の80%程度維持できます。また、リサイクルPETのほかに、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などのスーパーエンジニアプラスチック(注2)や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などの汎用エンジニアプラスチック(注2)にも適用可能です。
今後は、本技術を用いて環境に配慮した製品開発に取り組んでいきます。

(注1)PETフレーク
PETとはポリエチレンテレフタレートの略で樹脂の一種になります。PETフレークはペットボトルを小片に破砕してフレーク状にしたものです。 本文に戻る

(注2)スーパーエンジニアプラスチックとエンジニアプラスチック
耐熱温度で区別されており、スーパーエンジニアプラスチックが150℃以上、エンジニアプラスチックが100℃以上となっています。

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